亡くなった祖父の霊!冬の寒い日電車の中でおじいちゃんが心臓の発作で

54歳 ライター 女性 maoさん 東京都足立区で本当にあった心霊の怖い話

これは、私が小学校3年生、弟が幼稚園の時の実話です。
その日はとても寒い日でした。

弟と母が幼稚園から帰ってきて、母はまた出かけました。

弟が数十分留守番をしていた後で私が学校から帰ってきました。
この数十分の弟ひとりの留守番が問題だったのです。

何度もかかってくる電話

弟がひとりで留守番をしていた、ほんの数十分の間に親戚のおばさんから電話がありました。

どうやら「おじいちゃんが亡くなった。」と言ったようです。

5才の子供にその意味がわかるはずもないのですが、親戚のおばさんも急なことで動揺していたのでしょう。

大人に話すような言葉のままで、おじいちゃんの訃報を連絡したのです。

私が帰って来てからも何度もおばさんから電話がかかってきます。

「お母さんはまだ?」
「まだです。」

このやりとりを10回以上も繰り返しました。

おばさんはおじいちゃんが亡くなったことを伝えたつもりになっていますので、同じことを繰り返してくれませんでした。

私はわけがわからず、普段滅多に電話をしてくることのないおばさんがこんなに何回も電話を掛けてくるなんてと思っていました。

電話が10回を超えた頃、さすがにおかしいと思ったので、

「母が帰ってきたら、すぐに電話させます。電話番号教えてください。」

と言いました。

せめて、私が電話に出た時にもう一度「おじいちゃんが亡くなった」と言ってくれたら、「亡くなるってなんですか?」と聞くとか、母を探しに行くとか出来たのですが、言ってくれなかったので、なかなか状況の深刻さに気が付かなかったのです。

すっかり暗くなってから事態が判明した

すっかり暗くなってから母が帰ってきました。

コートを脱ぐ間も待てずに私は

「お母さん、とにかくすぐにおばあちゃんちに電話して。

おばさんから10回以上も電話かかってきたの。

なんのことかわからないけど、おばあちゃんちにいるって言ってたから。」

母はあわてておばあちゃんの家に電話をしました。

すると、心臓病を抱えていたおじいちゃんが仕事帰りの電車の中で発作を起こしてしまいました。隣にいた方は知らない方なのに親切で、駅員さんに通報してくれて、救急車で運ばれたけれど、助からなかったとのことでした。

母はずっと連絡が取れなかったことで小姑に嫌味を言われたようで、弟に「おまえに言ったってよ!」と八つ当たりをしていました。

弟はこれがトラウマになり、ひとりで留守番が出来なくなりました。

おばあちゃんやおばさんたちのショック振りがハンパない

おじいちゃんは心臓病を抱えていたので、いつも食後にはこたつの上にずらっと薬を並べて飲んでいました。

激しい運動などは出来ませんでしたが、会社勤めを続けていました。

お酒やたばこは医者から止められていましたが、甘いものには目がなくて、手土産に持って行った大福をあっという間に3個も食べたのをよく覚えています。

その日、おばあちゃんはいつものようにおじいちゃんを送り出し、今日は寒いからと鍋料理を作って待っていたそうです。

おばさんたちはおじいちゃんが心臓病を抱えていることは知っていましたが、まだ60代だったこと、あまりに急なことだったので、ショックがハンパなく、釘打ちの儀式が辛くて出来ないおばさんがたくさんいました。

初七日におばあちゃんから聞いた話

通夜と葬儀・告別式が終わって、私たちは自宅に戻りました。

その一週間後に初七日の法要を行うため、再びおばあちゃんの家を訪れました。
するとおばあちゃんが言いました。

「おととい、おじいちゃんが帰って来たんだよ。」

え?っと思っているとおばあちゃんは続けました。

「いつもの会社かから帰ってくる時間にね。ただいまって帰ってきたの。今日は寒いから、早く帰って来たんだよって言ってこたつに入ってね。そしたら、すーって消えちゃった。」

きっとそれはおじいちゃんの心霊でしょう。

おじいちゃんは発作を起こしてしまったけれど、おばあちゃんがひとりで家で待っていることを知っていたので、なんとか帰りたいと思っていたのでしょう。

怖いけれど、どこか納得のいく話でした。

親族の霊であれば怖くはないのですが、なんだか悲しい話しですね。

龍由樹

実話の怖い話・みんなの怖い話の管理人です。日本全国に伝わる恐怖体験を日々収集しています。過去に事故物件に住んだ経験や愛犬の幽霊に出会った体験など霊感はないのですが、様々な体験を通して霊界に興味を持った一人です。

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