36歳 サラリーマン 男性 KHさん福岡県福岡市で本当にあった怖い話
僕の大学生友人であるM君は、非常に霊感が強く、文字通り見えてはいけないものが”見えてしまう”人だった。
普段の何気ない会話の中でも、よく僕をぞっとさせるようなことをサラリと口にしていた。例えば、旅先では「ここ何かおるけん、早く立ち去った方がよかよ。」とか、普段の生活においても「最近、自分のマンションに知らないおばあちゃんがおるとよね。」とかいうように。
ドッペルゲンガー(自己像幻視)とは、自分の分身を自分もしくは第3者が見てしまうという現象のことである。同じ人物が別の場所に姿を現すという解釈もあり、それを第三者が目撃してしまうという現象を指すこともある(一部Wikipediaより抜粋)。
そんな彼の住んでいた福岡にある、とあるマンションで起きた恐怖の実話である。
とある夏の暑い日に起きた不可思議な出来事
その日はとにかく暑かった。
大学の授業がお昼過ぎの一番暑い時間に終了し、M君は自分の住むマンションに自転車を走らせた。
汗だくになりながら自宅マンションに着いた彼は、すぐにエアコンのスイッチを入れホッと一息。
しばらくして、少し汗が引いた頃、顔がベタベタして気持ちが悪かったため、洗面所へ。
その途中、いつもの自分の霊感から少し何者かの気配を感じたが、そんな状況には慣れっこのため特に気にもとめず。
冷たい水で勢い良く洗顔しタオルで顔を拭いて、ふと鏡に目をやったそのとき、閉めていたはずの洗面所の引き戸がそっと少しだけ開き、そこから何者かが中を覗いていた!それに気づいた彼は、すぐに振り返ったが、そこにはすでに誰もおらず。
自分の身に起きた現象を究明しようとするも、、、
「さっきのはいったい何者なんだろう?」とM君は疑問に思いつつも、その後は霊感が刺激されることなく時間が過ぎた。
洗面所を覗いていた何者かは、もうここから立ち去ってしまったのか。
普段から この世のものではないものに出くわしている彼は、決して恐れることなく、むしろそれが何者であったかが気にかかり、部屋中を歩き回り調べ尽くした。
しかし、どこに身を置いても何の違和感もなく、その出来事が疑問のまま終わるのかと思ったそのとき、、、
再び洗面所で起きた不可思議な現象
現象を究明できなかったことが腑に落ちず、M君が半ば落胆していた。
そのとき、洗面所の方でジャーっと水の出る音が!それに気づいた彼は、その何者かが再び姿をくらますかもしれないという不安から一瞬慌てたが、「これが原因究明のための 最後のチャンスかもしれない。」と思い直し、再びいつもの冷静さを取り戻した。
相手に気付かれないよう、そっと歩を進め洗面所の引き戸へ近づき、そっと戸を開き、中を覗き見た。
しかしながら、洗面台には誰も立っておらず、洗面台の鏡に映るのは中を覗き見る自分の姿だけだった。
思いもよらぬ結末
何者かの存在を突き止められず悔しがり落胆するM君は、洗面所の引き戸を閉めようとした。
しかし、なぜかここで違和感を抱いた。それと同時に、これまで微動だにしなかった謎の扉にが開き始めた。
彼はもう一度引き戸をそっと開き、中を覗き見る自分の姿が鏡に映るところを見て確信した。
その姿はまさに、数分前に大学から帰って来て顔を洗っていたときに、そっと洗面所の引き戸を開け、中を覗き見ていた何者かの姿にそっくりだったのである。
つまり、彼が洗顔していたときに、なぜか洗面所の音に反応し確認しに来た数分後の自分自身が現れ、同じ時間軸に彼自身が二人存在したということだ。
普段は霊と出くわしても冷静な彼だが、さすがに、それが分かったときは鳥肌がたち、なんともいえない恐怖を感じた。
なぜなら、ドッペルゲンガー現象を自身で体験した場合、死が訪れるという一説があるためである。
それから、暫くは注意しながら日々過ごした彼。幸運にも、今現在も元気に生活している。
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