宮城県仙台市にある株式会社!築50数年の社員寮に住まう幽霊

26歳  会社員 女性 こばさん 宮城県仙台市で本当にあった怖い話

これは昨年の冬、宮城県仙台市にある友人が住んでいるアパートで体験した実話です。

私は霊感などはなく、今まで幽霊の存在について懐疑的でした。
元々怖い話は好きで、ホラー映画や怖い話なども触れてはいましたが、心のどこかでは「気のせいだったのでは?」と、疑いながら見ている自分がいました。

しかし、この体験以降、私はその存在を信じるようになりました。
そして、友人の社員寮にはその後足を踏み入れていません。

築50年、2K、家賃5000円

昨年の冬、雪がかなり降っていた時期のことです。
友人から「映画を一緒に観よう」と誘われ、私は築50数年の友人の社員寮に遊びに行きました。

友人の社員寮は、かなり古く、友人曰く数年前にリフォームされたらしいのですが、室内の仕切り扉は全て襖だったり、風呂場のタイルは傷があったりと、年季を感じる作りとなっていました。

しかし、友人は「家賃も他の社員寮より3千円近く低いし2部屋あるし、ちょっとくらい古くてもいいかなって」と言って、特に問題なく生活しているようでした。

洗面所につながる襖の立て付けが悪い以外には。

立て付けの悪い襖

「なんかさあ、やっぱり古いからなのか、襖が一箇所立て付け悪いんだよねえ」
友人はテレビ画面を見たまま私に言いました。
私もまた、その時点ではなんてことない世間話と思い、「そうなの?やっぱりリフォームしてても建物自体古いからなのかな〜」なんて言っていました。

「うん、洗面所につながるところなんだけど、やっぱり湿気とかあるのかなあ」
「ああ、それはあるかもね」
なんてことない会話を続けていると、不意にその襖が開いて閉まるような音がしました。
洗面所の方から「たん」と、襖の枠がぶつかるような音が。

私たちは二人とも絶句し、顔を見合わせました。

「今、襖、音しなかった?」
私が言うと友人は、少しおろおろした後、「でも、外で雪が落ちた音かも」と言いました。

確かに、外には連日の降雪で雪が積もっていました。
そして、屋根に積もった雪がその重さに耐えかねて地面に落ちるときには、「たん」とも「ぱん」とも言えない音がします。

私と友人がそんな会話をしていると、もう一度「たん」と音がしました。
そして、勘違いでなければ、「たん」と鳴る前に、襖が開く時の「すー」という擦れるような音が聞こえたのです。

何度も鳴り響く襖の音

目を白黒させて動揺する友人を宥め、私はそうっと洗面所につながる襖がある、廊下に身を乗り出しました。

そして目を疑いました。
今この家には私と友人しかいないはずなのに、その襖が勝手に開いては閉じてを繰り返していたのです。

夢を見ているのかと思いました。
私は思わず呆然と立ち尽くしてしまいました。
しかし、そうしている間にも、襖は15センチほどそろそろとゆっくり開いては勢いよく閉じる、と言うことを繰り返していました。

私はその時、小さい頃祖母から教わった「柏手」を思い出しました。

祖母もまた、ホラーが好きで、私が小さな頃に「変なものを見たら柏手を打ちなさい。邪を払ってくれるから」と教えてくれていたのです。

それから、私は両手を勢いよく打ち鳴らしました。
数度叩いて、様子を見る。数度叩いて、様子を見る。
それを何度も繰り返して、やっと襖が動かなくなった時、友人と観ていた映画はとっくに終わっていました。

事故物件情報サイトにはない事故物件

「こばちゃん、どうしたの?大丈夫?」

すっかり疲れ果ててよろよろと友人のもとに戻る私に、友人は少し怯えながら言いました。

確かに、友人から見ればいきなり手をたくさん打ち鳴らす友人(私)もまあまあ怖かったでしょうね。

そう思った時でした。

「急に「バカやろー!」って叫んだり、唸ったりしていたよ」

え?

私は柏手こそ打ったものの、叫んだり唸ったりはしていません。

その日私たちはDVDを返しがてら外に出て、そのまま私の家で一夜を過ごしました。

そしてここからは後日談です。

結論から言ってその部屋はいわゆる事故物件でした。

友人の会社は古くよりブラック気質なところがあり、友人が会社の先輩に聞いたところ、20年ほど前にその部屋で首をかき切って亡くなった社員さんがいたそうです。

その話を聞いてから、私は怖くなり友人の部屋には行っていません。
しかし、友人の部屋ではもう心霊現象はなく、襖の開きづらさはないそうです。

龍由樹

実話の怖い話・みんなの怖い話の管理人です。日本全国に伝わる恐怖体験を日々収集しています。過去に事故物件に住んだ経験や愛犬の幽霊に出会った体験など霊感はないのですが、様々な体験を通して霊界に興味を持った一人です。

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