30歳 イラストレーター 女性 Lさん 兵庫県神戸市で本当にあった怖い話
病院って幽霊とかってやっぱり多いんですかね・・。
母方の祖母が、病気になってしまい入院したことがあって、その時の実話だそうです。
私が健康診断を受けた時に、思い出したように話してくれました。
深夜、トイレに行くと女性が・・・
その日、私と母は祖母のお見舞いに行き、看病のために色々していると遅くなってしまいました。
私は帰ったんですが、母は祖母の心配もあるので病院に泊まることになったんですよ。
深夜、母はふとトイレに行きたくなって目が覚めたらしいんですね。
こんな時間にトイレなんて怖いし嫌だなと思ったんですが、行かないわけにはいかないので、渋々行くことにしました。
トイレに入ると、女性が手洗い場にいたらしいんです。
俯いていて、顔はわからなかったそうですが、40代くらいの人かなと感じたそうです。
ただ、寝間着の模様なのか、上半身だけ赤っぽいのが見えたので、派手な上着を着ているなと思い、やけに印象がありました。
「ここの患者さんかな?この人も遅くに目が覚めたんやわ。」
一瞬、びっくりしましたが、そんなことを考えながら、個室に入りました。
隣の個室から聞こえてくるうめき声、そして・・
母が入ると、母の隣の個室のドアがギィーっと開き、バタンッと閉まる音がしました。
あの女の人が入ったんだなと思っていると、
「うぅ・・うっうぅぅ・・」
と苦しそうにうめく声が聞こえてきました。
それと同時に「ゴボッ・・ゴボボ」という何かを吐き出すような音も聞こえます。
「あらら、具合が悪いんやね・・かわいそうに・・大丈夫かしら」
大丈夫ですかと声をかけようかと思っていると、ギィ・・バタンッと、再びドアの音が聞こえました。
女性が出て行ったんだと思い、母も用を足し出ることにしました。
母は手を洗い、トイレを出て歩き出しました。
すると、さっきの女性が少し前を歩いているのが見えました。
母と同じ方向に向かっていきます。
「あら、この人も同じ階の病室なんかな・・?」
そんなことを思いながら、母も女性の後ろを付いていくように病室の方に歩いていきました。
そうしているうちに祖母の病室が見えてきました。
病室のドアを開けようとして、不思議とその女性がどこの病室の人か気になり、女性の方を見たんだそうです。
すると、女性が祖母の病室の隣にすっと入っていくのが見えました。
「お隣の患者さんだったのね」と思い、その時は眠さもありそのまま祖母の病室に帰ったそうです。
女性は一体どこに入っていったのか・・
翌朝、祖母も起きたので、昨日の話をしてみたんだそうです。
「おかしいなぁ、お隣に病室なんてあったんかね」
そんなことを祖母が言うので、気になった母は病室を出て、昨日女性が入っていった場所を確認してみたそうです。
「え、何もない・・・。」
なんと、そこには病室なんてなく、ただの壁があるだけだったそうです。
慌てて病室に戻り、祖母にその事を話していると、ちょうど看護師さんがやってこられました。
「どうかされましたか?」と聞かれたので、母は看護師さんに昨日のことを話してみたそうです。
すると、看護師さんは、少し言いにくそうにある話をしてくれたそうです。
看護師さんが話してくれたある出来事
その病院は前に改装をしていて、改装前は祖母の病室の隣にも病室があったそうです。
そしてその病室に長く入院していた女性がいました。
女性は、消化器系の病気を患っており、時折血を吐いたりしていたそうです。
ある日、その女性の姿がないので病院のスタッフ皆で病院内を探し回ったところ、トイレで血を吐いて亡くなっているのが見つかりました。
辺りは血の海で、相当な量の血を吐いて苦しんだようでした。
そして女性が亡くなっていたトイレというのが、母が入ったトイレだったそうです。
それからというもの、その病室やトイレ付近で女性を目撃した人が相次いだので、改装の時にその病室を無くしてしまうことにしたそうです。
「そう・・。あの人まだ彷徨ってんのね・・。自分が死んでるのがわかってなくて成仏できないんですかね・・。」
看護師さんはそう呟き、もし嫌なら病室を変えれるか上司に聞いてくれるといってくれました。
しかし、それからそんなに経たずして祖母の容体が悪くなり、病院を変えたほうがいいということになりました。
祖母がうわ言のように、「夜になると女の人が来て、私の顔に血を吐くんよ・・怖い・・怖いわぁ・・」
そんなことを言うようになり、見る見るうちに痩せていってしまったからです。
病院を変えてから祖母は容体を持ち直し、通院は必要ですが家に帰って来れるようになりました。
一体、あの女性はなぜ祖母の顔に血を吐きかけていたのでしょうか。
そして、もし母がトイレであの女性に声をかけていたらどうなっていたのでしょうか・・。
今もあの女性は病院を彷徨っているのかもしれません。
母はそれ以来、その病院には行かないようにしているみたいです。