46歳 福祉施設職員 男性 心霊無能力者「ちょーなん」さん 大阪府大阪市で本当にあった怖い話
これは私の一家に起きている実話です。
私が3歳になった時、念願の弟ができました。
すくすく成長し、私が7歳になった頃のお話です。
弟は時折、奇妙な行動を見せるようになりました。
「ブーン」と言いながらミニカーで遊んでいたかと思うと、仏壇に向かってにっこり微笑んだり、時々私が学校から帰ってくると、時折怪訝な表情で私を避けたりするのです。
ちょっと変なところがあるなぁと思っていたのですが、特に気にすることなく過ごしていました。
そんなある日、まだ集団登下校が当たり前でなかった頃、私が秘密の通路と称した、家までの秘密の帰り道を通って帰った時でした。
家に到着するなり、弟は私に対し「あっち行って!!」とすごい剣幕で怒鳴りだしました。
母も驚き、何があったのかと聞かれましたが、帰ってきてすぐだったので、何が何だかこちらもわかりません。
私は弟に聞きました。
「何があったの?僕、何か悪いことした?」
すると弟はこう言いました。
「こわいおじちゃん!こわいおじちゃん!あっち行って!!」
母も少しだけ霊能力があるので、きっと気付いたんだと思います。
母は私に言いました。
「お兄ちゃん、弟はある特別な力を持って生まれてきたみたい。時々こう言うことがあるかもしれないけど、できれば気にしないで接してあげて?」
よくわからないけど、何となくそうなのかな?と思いました。
後に聞いた話ですが、私が秘密の通路と称していたあの帰り道は、以前お墓があったところのようで、都市開発の関係で現在は住宅が建っていたりした、隙間の通路だったようです。
そこを通ったことで、私は何かを連れ帰ってきたようです。
弟にははっきり見えていたんでしょうね。
私の母はよく予知夢を見まして、叔母が火事で苦しむ夢を見て怖くなって電話をしてみると、寝たばこをして枕が焦げていたところだったそうです。
父は霊は見えないですが、たまに何者かにぶつかったようなしぐさをする事がありました。弟に言わせると、父は霊体を触れる能力があるそうです。
妹は霊は見えないですが、何かを感じる感知センサーが飛びぬけていて、今でも私は引っ越す時などは妹に住所と建物の写真を見せます。高感度センサーでそこに悪霊が住んでいるかわかるそうです。
そして弟は、幼い頃から心霊が見える、心霊の声が聞こえる、心霊に触れられる、ありとあらゆる霊能力が強く、一時はそのせいで人とのコミュニケーションが取れなくなってしまい、精神病院に入院した事もありました。強すぎる霊能力に、精神年齢が追いついていないためでした。
唯一私だけが一家の中で霊能力が全くない人として過ごしてきました。
私は霊を信じていません。
なぜなら私だけ見えていないし聞こえていないし触れられないんですから。
今でも私は、家族総出で40年間もの歳月を費やし、私をドッキリにかけようとしているのではないかと疑っています。
しかし、私の一家の話は、誰に話しても奇妙と言われ、誰に話しても恐れられるような体験に満ち溢れています。
その中心にはいつも、霊能力が突出した弟がいました。
その弟は、宮大工として全国のあちこちを回っています。
いつかあなたに出会う時があるかもしれません。