46歳 会社員(ドライバー)男性 makinomeさん 新潟県で本当にあった怖い話
自転車に乗って街の中を走る、ただそれだけの夢。
補助輪付きの自転車でノロノロと走る。そのスピードは大人が早歩きをする程度だ。
繰り返される僕の夢
そんな感じで子供のボクが辺りを眺めながら自転車をこぐ、何の変哲もない普通の街で異変は感じないのだが、
やがてあることに気づく、それは「この街には、自分以外の人が見当たらない」ということだ。
街はキレイで荒らされた様子はない、破壊された場所もなく、鳥も虫も見当たらない。
車も無く、犬や猫など生き物の気配もない。飛行機も飛んでいない。
家の中を覗き込むも、誰もいない。
さすがに建物の中に入るのは怖いので外から確認するだけだが、やっぱり誰もいない。
こんな風に自転車で街の中を走っていると、やがて朝になり夢から覚める。
起きた時には恐怖感は感じなかったが、嫌な感じがしてスッキリとはできなかった。
これが、子供の頃のボクが頻繁に見ていた夢の話しで、全て実話である。
夢の中で人を探して街の中を走り回った結果
こんな夢を何度も見ていると、やがて冒険心のようなものが沸いてくる。
そのうち「街の中を探索しよう、人を探そう!」という明確な目的をもつようになる。
そして夜になり、また同じ夢を見るのだが、残念ながら人を探すことはできなかった。
住宅街やら学校など人がいそうな場所に行ってもダメだった。
自転車の速度を上げて街を走っても特に新しい物は見つからなかったがそんな時、ふと思った。
「そういえば、ここはどこなんだろう?」今更ではあるが、この街は自分が住んでいる街ではない。
風景を見た感じで日本のどこかであることは何となくわかる。都会ではなく一般的な街の風景。
夢の中ということもあり”ここが何処なのか?”なんてことは考えもしなかったが、もしも夢に意味があるのなら、場所も重要になってくるはずなんだけど・・・
と、考えたところで分かるはずもない。ちなみに、私には霊感的なものは全くない。
だが不思議な体験は何度かしたことがある。
うちの家系は母方に霊感が強い者が多く、父方は鈍感なタイプのようだ。
特に私の母は霊感が強く、霊的な怖い話を母の前ですると怒られた記憶がある。
なぜ怒るのかというと「そういう話をすると心霊的なものが来るから」というのがその理由らしい。
なので我が家では「心霊特集」みたいな番組を見たり録画することも禁止されていた。
あれはいったい何だったのだろうか?
この夢にはオチがない。「最後に何か凄い展開が!」なんてことは残念ながらない。
怖い話でもないし、心霊が出てくるとかの心霊的な話でもないが不思議な実話だ。
そして、大人になっていくにつれ見る頻度も減り、やがてはまったく見なくなった。
インパクトも特にない夢ではあるが何故か忘れることはなく、今でもこうして鮮明に覚えている。
私は1973年生まれ、この不思議な夢を見ていたのが小学校にはいる直前だったと記憶しているので、おそらく1978年頃の話しだと思う。
そして、この意味不明な夢の謎が33年後の2011年に解明されることになる。
子供のボクは、あの場所にいたのだろうか?
その日は仕事が休みということもあり昼寝をしていた。すると、部屋がカタカタと揺れ出し、やがて大きな横揺れとなった。「地震だ!」すぐにその異変に気づいたが私は冷静だった。
この程度の地震なら問題ない。振動でいえば4程度だと体感的に感じたからだ。
しかし、揺れが収まらない。
何分揺れていたのか不明だが、その揺れの長さは異常なものだった。
これが2011年3月11日に起きた「東日本大震災」である。テレビからの映像はまさに”阿鼻叫喚”の一言。
津波、余震、原発事故などの悪いニュースが流れ続け、それが何日も何週間も何か月も続いた。それからどれくらいの時がたったのだろうか。
ある番組内で紹介された映像を見た瞬間、私の体が震えた。
そこに映し出されていた映像は、福島の原発事故で人々が避難してしまいゴーストタウンと化していた街が映し出されていた。その街並みは、私が子供の頃、自転車で走っていた街とソックリだったのだ。
「33年前のボクは原発事故で人々が逃げ出して誰もいなくなったゴーストタウンの中にいた」
私は直感的にそう判断した。
避難して人がいない街を、ボクは自転車で走っていた、人を探して。
今にして思えばあの夢は”予知夢”だったのかもしれない。
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東北とは縁のない方なのかな?だとしたら本当に不思議ですね。
私もたまに予知夢的なのを見ますが、現実に起こるまでその夢を見たことは忘れてしまってるんですよね…覚えていれば嫌なことを避けられるのになぁ。
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