29歳 加工食品卸売 男性 やまなかさん 山梨県上野原市で本当にあった怖い話
これは私が20歳の頃に実際に体験した怖い話です。
元々心霊体験などを何度か体験したことがあったので、今回書く内容も「またか」と思うような現象かと思ったのですが、そうではなかったのです。
父親との関係
私は、父親と元々とても仲の良い関係でいました。
しかしどうしても思春期などがあった関係で、よそよそしくなってしまっていたのです。
ある時は嫌味を言ってしまったり、ある時は「うるせえ」「くそおやじ」などという言葉もかけてしまっていたのです。
自分の中ではそれがいけないことだと思っていたのにもかかわらず、どうしてもそんな自分を直せないところがありました。
突然亡くなってしまった父親
あまり父親と話せていなかったのですが、ある日父親は突然あの世に行ってしまいました。
しかも出先で心臓発作になってしまったのが理由です。
私はそれを聞いて、ショックや悲しいという気持ちよりも先に「もう顔を見て直接話せなくなってしまった」という感情がとても強かったです。
本当ならば今までの自分がやってしまった暴言の数々を近々謝って一緒に飲みに行こうと思っていたのに、それができなくなってしまった、という事実がまずはじめに心に突き刺さりました。
通夜や告別式、そしてもろもろと手続きなどが終わり、なんとか身内の人間が亡くなった時に行うものがひと段落して、私は母親と2人で自宅を掃除することにしました。なんとなく、何もせずにいるというのが嫌だったのです。
不可解な音と影
掃除を始めて1時間ほどが経ったでしょうか。2人とも没頭していて、なにより普段掃除をしないような場所までも手をつけ始めました。
掃除というのは、行なっていると心がきれいになれる気がしますし、集中できるのでもちろん父親のことを思い出しながらではありますが、なんとか家をきれいにしていました。
その時です。
私たちの家は1階が母親の経営するお店になっており、2階に住んでいたので掃除は2階がメインだったのですが、1階からドアが外れて地面に落ちるような「ドン!」という大きな音が聞こえてきたのです。
2人とも2階にいましたから、少し気になり1階へ降りてみたものの特に変わった様子はありません。
しかしその後も掃除をしている間に何度も何度も「ドン!」という音がしてきたのです。
心霊体験を何度かしたことがあった私は、何か不思議な気持ちにはなったもののそれが悪いものではない気もしてきたのです。
ただ、大きな音が何度もするとなると「二人以外に何かがいる」という感情は確信に近付いていました。
私はもしかするとこちら側の気配を感じて姿を消しているのではないかと思い、今度はそおっとなるべく音を立てないようにして階段を降りていったのです。するとなんと、外の明かりが差し込む場所に人影が見えたのです。
思わず大きな声で「誰だ!」と叫びながら電気をつけてみました。そうすると、黒い人影がパッと白い明かりの中で目立って見えたのですが、すぐに壁の中へと消えてしまったのです。
影の正体とは
その出来事があり、私はそこまで心霊などが得意ではなかったので母親にこういうことがあったんだよと伝えに2階に行きました。
全てを話したところ、おそらくそれは親父が最後の挨拶をしにきたのではないかという話に行き着きました。確かに、その黒い影を実際に見はしたものの、あまり嫌な気持ちにならなかったのが不思議でしたから、親父だったと思うと少し納得できるところがあったのです。
これが私が自宅で体験した、心霊体験の実話です。あれからもう10年ほどが経ちましたが、その後は1度も音はしなくなりました。
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成仏する前だったから、お父さんはまだ自分が亡くなった事に気付いてなかったのかも知れませんね。