44歳 自営業 女性の心霊体験
私の中学生の頃、父方の祖父が亡くなりました。
父の実家は九州で、私の家は神奈川県。会う機会は本当に少なかったものの、おじいちゃんは私たち孫に会うのをいつも楽しみにしていました。
おじいちゃんのお葬式の日、私の学校は定期試験の予定になっていました。
本来なら学校を休んでお葬式にいくべきなのでしょうけれど、私の両親は旅費が無かったのでしょう。
子供たちを自宅に置いて、2人でお葬式に出席しました。
「本当に私は行かなくてもいいのかなあ」
と、兄や姉に行ってみると、
「親父とお袋が行ったから、俺たちは行かなくてもいいんだよ」
と兄に言われました。
お葬式2日目で
その時、お葬式には1回も出席したことがなかった私は、ただお葬式が2日間あるという事だけ聞かされていたのですが、その2日目の葬儀が終わった日に驚くことが起きたのでした。
2日目なので、告別式や火葬がその日に行われたのでしょう。
私は試験を終え、眠くなって昼寝をしたために、その日の夜はなかなか眠ることができませんでした。
両親はもう1日九州に泊まっていくと言っていたので、この日は私たち兄弟3人で過ごすことになっていました。
夜になり、母から電話が1本入りました。
「何か変わった事はない?」
「ご飯は食べてる?」
といったような内容で、最後に
「お葬式終わったから。明日帰るからね」
と一言。他愛もない親子の会話でした。
胸騒ぎがする・・・
その日、私はテレビを見ていても、ご飯を食べていても、なぜだか無気力になっていて、心の奥底ではおじいちゃんのお葬式が気になっていたのです。
ですが、私たちは連れて行ってもらえなかった。
昼寝を終え、夕食を済まし、いつもの番組を見て、私は自分の部屋に行き、眠る準備をしました。
ですが、昼寝をいっぱいしたために、眠かったのですが全く眠れなくなっていました。
お別れに来たおじいちゃん
夜中の0時を過ぎてから、何となく部屋の空気が冷たく感じ、眠くならないけど寝ようとベッドに座ると、私は人の視線を感じました。
「誰かに見られてる」と感じたのです。
「いや、まさか・・・」と、その視線を否定したものの、その視線の方向を見ると、そこには人が座っていたのです。
それも私の隣りで、半透明の男性が、間違いなく見えたのでした。私はその男性がおじいちゃんだとすぐに気づきました。
「おじいちゃん、お葬式に行けなくてごめんなさい。私たち連れて行ってもらえなかったの。ごめんなさい、ごめんなさい・・・」と、恐怖に恐れおののきながら謝り続けました。
おじいちゃんの顔には全く笑みがなく、苦しい表情もしていませんでした。
無表情で、悲しみすらも感じ取れない、何か孤独な、とても言葉では言い表せないような表情となっていました。
あとで聞いた話なのですが、私のおじいちゃんは最期の方で認知症になり、私の事も覚えていたのかどうかという状態だったそうです。
そんな状態でも、孫に会いに来てくれたのでしょう。半透明のおじいちゃんは、私が怖がっている間に消えて、それ以来、私の目の前に現れる事はありませんでした。
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