33歳 化粧品のマーケティング 女性 ゆづさん 愛知県岡崎市で本当にあった心霊の怖い話
これはわたしの実際の心霊体験をもとにした実話の恐怖体験です。
こんなところに手形?
わたしの家は父・母・妹・弟・わたしの5人家族です。
当時、高校生だったわたしはお風呂が大好き。
いつも1時間近く入る長風呂だったので、必然的に最後に入ることが暗黙の了解になっていました。
その日も最後にお風呂に入り、本を持ち込んで、ゆったり湯船に浸かっていました。
ふと、何気なく目の前の壁を見ると、湯気でうっすらと何かの跡が浮かびあがっています。
目を凝らして見ると指先を下に向けた右手の跡がひとつ付いていました。
結構高い位置に付いていたのですが、
母が掃除の際に壁や窓を拭いているのでその時付いたのだと思いました。
誰の手形?
その日お風呂から上がるころにはその手形のことはすっかり忘れていました。
次の日の朝、ちょうどお風呂掃除をしている母を見て、
「あ、その壁に手形ついてたよ~。そんな高いところも掃除してるんだね」
と話しかけると、
「え?こんなところ掃除しないし、第一ここに手は届かないよ」
そうなんです。母は150㎝と小柄で、浴槽に上っても手形の位置には到底手が届きません。
しかも指先が下を向くように手形を付けようと思うと、かなり不安定な体勢になり、母よりも大きい父・妹・弟・わたしでも、故意に付けようとしない限り難しいものでした。
少し気味悪くなってしまった母とわたしは、家族全員をお風呂場に呼んで、誰がこんなことしたのか暴こうとしました。
心霊とか大の苦手なので、家族の中にいたずらした犯人を見つけて安心したかったのでしょう。
全員集まって、その手形を確認。
手形をつけたであろう、父・妹・弟に詰め寄りました。
「もう~、こんないたずらしたの誰?ちょっと気味悪いよー!」
少し間が空いて、3人が口を揃えて、
「こんなことしてないよ!」と言いました。
「え?じゃあ、誰がこんなことするの?わたしがお風呂入った時にあったから、わたしより前に入った人でしょ~?」
すると、弟が浴槽に足をかけ、手形と同じ向きで自分の手を重ねました。
「ほら、俺の手よりすごく小さいから俺じゃないよ。お姉ちゃんの自作自演じゃないの?笑」
ここまで言われてしまっては、わたしも手形に重ねないわけにはいけません。
姉弟の中では一番小柄だったわたし。
そのわたしの手よりも手形が大きければ、わたしじゃなくて妹の可能性もあります。
手形の正体は…
しぶしぶ浴槽のヘリに足をかけ、手形に自分の手を合わせようとしました。
心なしか昨日見た時より手形がはっきりしているような気がします。
右手の指先を下に向け手形に自分の手を重ねた瞬間。
戦慄が走りました。
私より2回りくらい小さいのです。
小学生くらいの子どもの手の大きさでした。
わたしの家は5人家族。
父・母、高校生のわたしと妹、中学生の弟。
その中で誰よりも手の小さいわたし。
一般的な女性と比較してもわたしは小さい方でした。
そのわたしよりも小さい、遥かに小さい手形…。
そんな小さい親戚もおらず、来客もない我が家。
ましてやお風呂場に来るような関係性の子なんてなおさら…
結局誰の物かも分からず、全員気味が悪くなってしまったので、父がその手形を洗い流してくれました。
消された反逆?
その日の夜、お風呂に入るのが怖かったですが、ささっと入れば大丈夫!と言い聞かせ、お風呂に入りました。
父が洗い流していたので残っているわけはないのですが、目は自然と手形を見つけた壁を見てしまいます。
再び戦慄が走りました。
そこには昨夜見つけた時と同じ、指先を下に向けた手形がたくさん…
まるで消されてしまったから、さらに自分の存在をアピールするように…
無我夢中でお風呂場から逃げ出したのは言うまでもありません。
その手形をどうしたのか全く記憶にありませんが、きっとまた父親が洗い流したのだと思います。
その後、手形を見ることもなく、特に怖い思いをすることはありませんでした。
今まで見てきた怖い話ではもっと壮絶な体験をしているものが多いので、手形を見ただけで済んでホッとしたものです。
ただあれは何だったのかいまだに謎が残ります。
ちなみにですが、手形を洗い流した父はその2日後、転倒し大怪我をしました。
段差も何もない、平坦な道で。
何の因果もないと思いたいです。
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