恐怖の実話

母にとっては恐怖体験だったであろう幼い頃からある私の霊感

44歳 会社員 女性 かとりーぬさんの心霊の体質

私は幼い頃から人より霊感が強い方でした。

それを自覚した今では、リアルな生き霊などの恐怖体験をしても、なるべく心を落ち着かせ状況を冷静に判断できるようになりましたが、こうなれるまではただただ怖くてどうして良いのか分からず悩んでいたのです。

私の霊感体質に気がついた母

私のこの不思議な性質に最初に気が付いたのは母親でした。

例えば自宅の電話が鳴ると、「きっと新潟の叔母さんからだよ」と言う私に母は、「どうしてそんなの分かるのよ、出てみないとわからないでしょ」と怪訝(けげん)そうな顔で言います。

時代は、電話番号が表示されるディスプレイなどのない黒電話が主流の世界。

ですから当然母の言うとおり、電話を掛けて来た相手が分かるはずがないと思うのが当たり前なのです。

しかし電話を掛けて来たのは、私が発したとおりの新潟の叔母さん。

母はそれが何回続いても偶然としか思っていませんでした。

ですが母は私の霊感の強さを認めざるをえない体験をしたのです。

霊感が判明したキッカケ

それは父の兄が亡くなった時でした。

私たち家族が住んでいたのは千葉県の北西部にある市川市で、都内に出るにも便利な場所。

父の実家があるのは同じ千葉県でも、私たちの家からかなり離れた現在香取市となっている場所です。

夕食をすませテレビを視ながら皆で食後の果物をいただいていたのですが、その時私の鼻先に妙な匂いがして来ました。

それはいつも叔父さんが吸っていたたばこの臭い。

父が吸っていたのはメーカーも違う種類の異なるたばこでしたし、窓も閉めていましたから外でたばこを吸っている人がいたとしても、その臭いが私の鼻に届くはずもありません。

何故か風邪など引いていない私の背中にも、今まで感じたことのない気持ち悪さのある寒気が襲っていました。

母から「叔父さん先週から入院してるんだって」と聞いていた私は、急に叔父さんの身体が気になり、半ば叫ぶような声で「お願いだから田舎の叔母さんに、叔父さんが大丈夫か聞いて」と懇願していたらしいのです。

受話器を片手に、仕方がないなといった様子で私を見つめていた母の顔が豹変しました。

叔母さんに電話がつながった途端、私が感じた妙な感が何だったか分かったそうです。

寒気の真相は?

その事実とは叔父さんの死でした。

この時の私の年齢は10歳。

母は電話で相手が誰だかわかってしまうことの多かった私を、この叔父さんの一件からただの偶然で当ててしまうのではないと認識したようです。

現代では多少理解されつつあるこういった珍しい性質。

しかし私が10歳だったころは世間の理解はなかなか得られなかったのが現実でしたから、母は私の性質を知ってしまったもののどうやって育てていいのか分からなかったと話していました。

ついこの間も、触れられた部分に熱を感じるリアルな肌に触れられた感覚と共に、別れた彼が出てくる夢を見ましたが、おそらくそれは生霊のせいだと思います。

自分にとっては良いことだが

ですがこういった経験の全てが悪いものではなく、私を危険なことから守ってくれたり、叔父さんのたばこの臭いを感じたことなども、私を可愛がってくれていたからこそ、この世から離れて行く自分の状況を伝えてくれた良いことだと思っています。

しかし当時の母にとっては恐怖体験そのものだったことでしょう。

心霊が見えてしまう、霊感体質って、周りから見るととても怖いもの。心霊が見えてしまう本人も、それを悩んでいることがありますが、中には自分を守ってくれる守護霊的な霊を感じる霊感体質の方もいるでしょう。一概に、霊感体質が悪いともいえなそうですね。

龍由樹

実話の怖い話・みんなの怖い話の管理人です。日本全国に伝わる恐怖体験を日々収集しています。過去に事故物件に住んだ経験や愛犬の幽霊に出会った体験など霊感はないのですが、様々な体験を通して霊界に興味を持った一人です。

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 by どらどら

自分も割と虫の知らせがあります。結構、便利なのですよね。でも、なんでかなあ?悪い知らせばかりで、良い虫の知らせは受けた試しがない。面白いものです。

 by ドラママ

怖がりな私でも最後まで読める優しい内容でした。小さい頃は皆霊感を持っていると聞いたことがあります。私の子供も年少の時は突拍子もない事を言った時期がありましたが、私が極度の怖がりなので、何かいると言われても「へぇ、そうなの?」とか「妖精かな。妖怪かな?」など、ひたすらごまかしていました。こちらが何も反応しないようにしていると、いつの間にか子供もそういうものが見えなくなったようです。

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