28歳 自営業 男性 ゆいきさん ゆいき 沖縄県那覇市で本当にあった怖い話
これは、私が中学三年生の頃に体験した実話です。
当時父親の仕事の都合で沖縄の中学校に転校した私は学校に馴染めず、朝制服を着替えて家を出たまま登校することなく、昼間の繁華街をプラプラと歩くのが日課になっていました。
あの有名な国際通りで
沖縄には国際通りという観光名所があり、観光客向けのお土産屋さんやデパートがズラッと並ぶ2km程の大通りがあります。
学校に行かない日はよくその通りを何をするでもなく見て回りました。
修学旅行生が制服のまま歩いているのが珍しくない場所なのでお巡りさんや大人の目もあまり気にしなくて良いからです。
国際通りの中程あたりには私が中学生だった当時OPAというショッピングセンターがありました(今では閉館されドンキホーテに代わっているようです)。
主にファッションブランドを取り扱ったテナントが集合したビルで地下一階から地上三階まであり、最上階までエスカレーターで吹き抜けになっていたと記憶しています。
最上階のベンチで
最上階は中庭の様になっており、簡素なベンチなどが設置してしてあった為、歩き疲れた時はよくここで休憩する事にしていました。
その日も中庭のベンチに腰掛け、携帯を片手に休憩していました。
すると突然建物の外から「ドンッ」という大きな物音がしたのです。
建物が揺れるくらいの地響きがするような、とても大きな音でした。
・・・何の音だろう・・・
少しの間考えていましたが何も解らず「外で車が衝突事故でも起こしたのだろう」とあまり深く考えませんでした。
しかししばらくしてまた「ドンッ!ドンッ」と何度も大きな音が鳴り響いているのです。
流石に気になった私は下の階に降りようと立ち上がりました。
すると外から爆音に続き人の声が聞こえてきました。
「○○~シタリ、我ガ~○○~」
内容はあまり聞き取れませんでしたが壊れたスピーカー越しに聞こえる様なその声に恐怖を覚え、急いでエスカレーターを駆け下りました。
外は何事もなく
一階にたどり着き、外のメインストリートの様子を確認しましたが何事もありません
いつもと変わらない観光地の雑踏がそこにはありました。
私はその光景に安堵よりも自分がおかしくなってしまったのではという言い知れぬ不安を感じその場にしばらく立ち尽くしました。
後日、私は父の知り合いでユタ(沖縄では霊能力のある方の事をそう呼びます)のお婆さんと話をする機会があり、その時の恐怖体験を相談してみました。
話し終えると、私の顔を見て「あー大変だったねー」と優しく見つめながらこう教えてくれました。
「あそこの通りはね、今では綺麗にして内地の人たち呼んでるみたいだけどイクサ(戦争)してる時は四六時中人が死んでる所だったよ、沖縄はどこいってもそうだけどね、あそこらへんは特に酷いみたいだったさ、あんたそのユーリー(心霊)に連れてかれそうだったんだねー」
大きな物音音の正体については「たぶん爆弾じゃないかね、おばあも子供の頃聞いたよ」との事でした。
以上が私が体験した実話です
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時代を超えて、音の響きが聞こえるなんて。
戦没者の方の戦争を風化させないで欲しいという気持ちの強さなのでしょうね。
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