36歳 専業主婦 女性 まりこさん 京都府京都市かぐや姫竹御前近くで本当にあった心霊の怖い話
これは今から10年ほど前の冬、友人と訪れた京都で体験した実話の怖い話です。
それまで、怖い話は好きなものの心霊現象とは無縁の人生を歩んできましたが、まさかあんな怖ろしい体験をするなんて・・・実際の心霊を見たのははじめてです。
京都旅行でたまたま訪れた、とある施設
当時、関東在住だった私と友人は、その日は早朝から新幹線に乗り込み1泊2日で京都へと向かいました。
旅の目的はやはり歴史ある神社・仏閣巡り。清水寺、銀閣寺、法隆寺など・・・短い滞在時間を惜しむようにあちこち見て回りました。
そしてその日の最後に計画していたのは、一願成就で有名な鈴虫寺でした。
無事に参拝を終えお寺を後にしたのですが、次のバスまで少し時間があります。
どうしようか、と話しているとバス停の向いにあった施設が目に入りました。
「かぐや姫竹御前」と書かれた木の看板が出ています。
予定にはなかったけれど、時間もあるし覗いて行こうかと、気軽な気持ちで入ったのですが・・・
古い建物、十二単を着た人形に、念仏を唱える女性
そこは古くこじんまりとしていていましたが、展示物は面白く、「偶然だったけど寄れてよかった」なんて話しながら見て回りました。
そして施設の男性が「ぜひここも覗いていって下さいね」と案内してくださった建物。
小さなお堂のような建物で、中にはかぐや姫と思われる十二単を着たお人形がいました。
折り紙に願い事を書いて奉納すると叶えてくれるというので、興味津々で覗いてみると部屋の隅に女性が一人座っていました。
顔が見えないほど深く俯き、じゃりじゃりと数珠をこすり合わせながら何か念仏のようなものを唱えています。
神社など所謂パワースポットと呼ばれる場所では、真剣に参拝する人の姿は珍しくありません。
ですがこの女性からは、何か怨念というか鬼気迫る何かを感じました。
友人もまた何かを感じ取ったのか、「バスの時間もあるし、もう行こう」と急かされるようにその場を後にしました。
その夜、ホテルの部屋に現れた着物姿の女性
その日の夜は、京都駅前のホテルを予約しており、旅の疲れもあり早めに休むことにしました。
ベッドのなかでうとうとしていると、どこからかカリカリと音がします。
何の音だろう?部屋の外?と夢うつつの中ぼんやりと考えていました。
ちょうど音のする方を向いて寝ていたので、眠い目をうっすらと開けると・・・
十二単に長い長い髪を垂らした女性が、ベッド横の壁をガリガリと爪で引っかいている姿が見えたのです。
その姿は、あのかぐや姫の人形を彷彿とさせます。私は恐怖で思わず息を飲みました。
私の気配に気づいたのでしょうか、その女性はぐるりと振り返りずるずると長い着物と髪を引きずりながら私の顔を覗き込んできたのです。
私は固く目を瞑り、耐えるしかありませんでしたが、すぐ目の前に女性の顔があるのを感じます。
お香の香りが鼻をつき、頬には長い髪がサラリと触れました。
じゃりじゃりと何か硬いものを擦り合わせる音が聞こえ、その女性はブツブツと念仏のようなものを唱え始めました。
違う、人形じゃない。あのお堂にいた女性だ!そう思い至った瞬間。
アハハハハハハハハハ!!
感情の感じられない、甲高い笑い声が部屋に響きました。
そして友人が眠るベッドの方へ、ずるずると音を立てながら向かっていきました。
私はそこで意識が途切れ、気が付くと朝になっていました。
友人も同じ霊を見ていた
朝、友人に昨夜の出来事を話そうか否かと悩んでいると、友人の方から「昨夜は大丈夫だった?」と切り出されました。
友人も、壁を引っかく女性の姿を見ていたようです。
その女性が私に近づくのを見て、気が気ではなかったと。
友人は昨日お寺で購入していた厄除けのお守りを握りしめていたら、その女性は友人に近づくことなく消えた、との事でした。
以上が、私が経験した心霊現象。全て実話の怖い話です。
あの日は、ホテルを出るとすぐにお寺でお祓いを受けました。
そして私は常に厄除けのお守りを持ち歩くようになり、旅先では枕元にお守りを置かないと不安で眠れないようになってしまいました。
幸い、その後は心霊現象に見舞われることもなく平和に過ごしています。
ですが、今でもお香の香りを嗅ぐと、あの夜の事が蘇るのです。