36歳 介護福祉士 女性 トマトさん 熊本県熊本市植木町で本当にあった心霊の怖い話
これは私が19歳の頃に体験した実話の怖い話です。
私が住む熊本県にはいくつかの心霊スポットがあります。そのなかで最も有名なのが植木町にある田原坂公園です。
免許取り立てだった私は友人三人と肝試しにドライブに行くことになったのです。
この時のことは、数々の恐怖体験のなかでもトップに入るほどの怖い話として、10年以上に経った今でも鮮明に覚えています。
電話ボックスの女と落武者の霊の噂のある心霊スポット
熊本県の田原坂公園は古戦場として祀られている場所となっており、落武者の心霊が出る、駐車場にある電話ボックスに女の心霊が出るという噂で、熊本県内の若者は田原坂公園は歴史的な場所ではなく、心霊スポットというイメージしかありませんでした。
夜のドライブの定番で、週末は夜の方が人が多いほどだったのです。
心霊スポットで心霊を見ることが出来ず
真っ暗な駐車場に入ると、すでに先客が電話ボックスにいました。五人ぐらいの若い男の子たちが電話ボックスのなかで騒いでいるのを遠目から見て、男の子たちがいなくなると電話ボックスに友達と入ることに。
しかし、入る前から何も起こらないことは分かっていました。人もたくさん集まっていて、談笑の声すら聞こえる公園は、心霊スポット特有の恐ろしさというのはなく、当然ながら女の心霊などいません。
早々に電話ボックスを後にして、次は車に乗り込み、田原坂公園は車で一周することに。
何度も肝試しに来たことがある友達の運転によってゆっくりとドライブしました。
駐車場とは違い、街頭もなくて人もいない場所を走るのは私たちが乗り込む車だけ。
車のライトが暗闇を照らすと、古戦場跡ならではの、武士のような銅像がぼんやりと浮かび、さすがに緊張感が走り、何が出てきてもおかしくないと思ったのです。
しかし、結局は女の心霊も落武者も見れず、駐車場に戻って来ました。
公園を出たら空気が変わった
駐車場でやっぱり簡単に心霊なんて見れないよねと話し、そろそろ帰ろうかということになりました。
私は助手席の後ろに座り、友人の運転で「心霊スポットなんて嘘ばっかりだね」などと話ながら公園から出たのです。
すると、公園から出た途端、背中にずんと重いものを感じたのです。心霊を見ることが出来なかったのに、遭遇してしまったかのような言い表すことが出来ない恐怖。
昔から人よりも霊感があったため、何かが起こるという予感が、公園に出た瞬間に感じたものの、あっけらかんとしているみんなにそのことを伝えることが出来なかったのです。
しかし、バックミラーに、私たちが乗る車を追いかける、満面の笑みを浮かべているおばあさんが見えてしまったのです。
もんぺのような服装で、妖怪のように企んだような笑みを浮かべて追いかけてきて、追い付こうとすると立ち止まり、逃げ切れたと思わせてまた追いかけてくるということを繰り返し、完全に遊ばれていることが分かったのです。
言い様のない恐怖が襲いました。
バックミラーを見ないようにそらすものの、「ヒィーッヒヒ」と、高笑いするような声が聞こえて来ます。
次第に私の様子がおかしいことに周りも気がつきますが、何が起きているのか分からないのです。
「一旦停めようか」と聞かれるものの、停めたら捕まると思い、「コンビニにお願い」と言ったきり、過呼吸になってしまいました。その間も笑い声と追いかける老婆の姿は消えません。
何度も追いかけられては止まって様子を見て追いかけてを繰り返し、とうとう腕を前に出して追いかけてきたのです。「バーン!」という音と共に老婆の姿は消えました。
動物でも轢いてしまったのかと思ったものの、他の三人は気がついていません。それからどうやって家まで帰ったのかほとんど覚えていないのです。
まだ終わっていなかった
害がなくて良かったと、昨日のことは悪い夢だったと思うようにし、あの恐怖の老婆の顔を思い出さないようにしていました。
そして、一週間ほど経った頃、高校生の妹から「最近変なものを見る」と相談されました。実は妹も霊感があり、私たちは互いの霊体験を共有していたのです。
妹は最近、顔を洗っていると、後ろや横に落武者のような人が出てきたり、金縛りにあったときには落武者の顔がクルクルと回っていたのだと。
妹は心霊スポットが嫌いなので、田原坂公園に行ったことは黙っていたのに、落武者というワードにゾッとして、田原坂に肝試しに行ったことを告げました。
遊びで行ったことを謝らないとと、妹と一緒に昼間に田原坂公園に行き、歴史を踏みにじるようなことをしてごめんなさいと謝りながらゆっくりと公園を歩きました。
すると、妹が落武者の霊を見ることはなくなったのです。心霊スポットに遊びで行くものではない。そう痛感した体験でした。
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