35歳 会社員 男性 たかぴさんの心霊体験
これは、以前僕の会社にいたアルバイトさんから聞いた、恐怖体験です。
いえ、僕自身、身をもって恐怖を感じた、体験談です。
話を聞いたアルバイトさん、Aさんは、25歳くらいのいかにも「今どきの若者」という雰囲気の男性でした。
ちょっとパーマがかった挑発に切れ長の目で、ホストなんかが似合いそうな感じのイケメンです。
熊本県新町の物件で
彼は当時、熊本市の新町という地域に住んでいました。
地元の人ならわかると思いますが、新町というのは今では高級住宅街になっており、それこそIT企業で成功を収めている人や、どこぞの社長さんが住んでいる地域です。
街中で見かける高級外車の多さでも、いかに生活水準が高いかがうかがえると思います。
その新町に、なぜアルバイト暮らしのAさんが住んでいるのか。お世辞にも、Aさんがそんなに稼いでいるとは思えません。
熊本市で一人暮らし用の物件といえば、3~4万円ていどのものです。しかし新町では、ワンルームですら6~8万円はするはずです。
加えて地上7階の角部屋・・・
なぜ、激安物件だったのか?
僕は不思議になってAさんに聞きました。
すると、Aさんは飄々とした感じで言うんです。
「僕の部屋、自殺者が出たらしいんですよ。」
「僕の今住んでる部屋の一番上の階から、飛び降りたんですって」
「で、各階のベランダに頭打ちつけられて、血まみれ」
「だから、ウチのマンション、角部屋がどの階も安いんです」
事故の悲惨さも衝撃ですが、他人事のように話すAさんの表情にも驚きました。
でも、さすがに事故物件なら誰しも怖いと思うんじゃないでしょうか。
でもAさんは気にしていないようでした。
「今住み始めて半年なんすけど、何もなかったから大丈夫っしょ(笑)」
若さゆえか、心霊関係にも全く動じないAさん。
突然、会社に来なくなったAさん
しかし、その数日後、異変は突然訪れました。
Aさんは突然、会社に来なくなりました。
担当部署の人に聞いても「分からない」、連絡を取ろうにも、メールも電話もつながらない、ということでした。
それから約1か月後。
会社でAさんを見かけました。
しかし僕は、そのAさん表情をみて、自分の目を疑いました。
まるで今までのAさんの印象とは違うんです。
イケメン風で自身に満ち溢れた雰囲気だったAさん。
しかしその日僕が見たAさんは、頬がやせこけ、目もうつろで、フラフラと足取りも危ういものでした。
「生気がない」というのでしょうか。
病的な、何かにとりつかれたような、そんな鬼気迫るものがありました。
それ以来、Aさんは会社に来ませんでした。
会社に来ていたのも、退職の話し合いをしていたのだそうです。
その後、色んな人から伝え聞いた話で、「何が起こったのか」がみえてきました。
事故物件の霊障に祟られたAさん
Aさんは、会社を休み始めたその日、自宅で倒れていたそうです。
たまたま自宅を訪れた家族の方に発見されたそうなのですが、数日間高熱にうなされ、寝込んでいたのだそうです。
しかし驚いたことに、Aさんはここ数ヶ月の記憶の一切を失っていたそうなんです。
新町に引っ越したことも、事故物件に住んでいたことも、僕たち熊本市民には忘れられない、あの震災のことも。
その話を聞いた時、僕の中ですべてがつながりました。
Aさんの部屋で、きっと何かが起こったんです。
そう、その部屋に住んでいるという事実を、無意識に拒否してしまうほどの何かが。
そう理解した瞬間、背筋に冷たいものを感じました。
まさか自分の身の回りに、そんなことが起こるなんて。
まさか心霊現象で、知り合いの人格がああも変わってしまうなんて。
熊本地震から、そしてそのAさんの事件からはや数年がたちます。
いまだに思い起こすだけで冷や汗が出る、なんとも後味の悪いできごとでした。
事故物件は、実際に心霊を見たり、感じたりしていなくても、霊障により、体調を崩してしまうことになりかねません。
過去の内容にもよりますが、やはり、「何かいる」噂を聞く物件には霊的な何かがいることが多くありますので、避けたほうが無難ですね。
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事故物件おそるべしなお話でした。霊や障りを信じていない人ほど、実際に自分の身に起こったときに、取り返しがつかなくなるくらいボロボロにされてしまうのかもしれませんね。記憶がないのがなぜなのか、その間どこにAさんはいたのかがとても気になりますね。
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