神戸市須磨区板宿にある幽霊グループホームで経験した恐怖体験

46歳 介護 男性 美琴さん 神戸市須磨区板宿で本当にあった怖い話

僕は普段は介護職員として介護施設に勤めている46歳、男性です。

このお話は、僕がかつて務めたグループホームでの恐怖体験です。

介護職は非常に離職率の高い職場で、介護職員のほとんど全員と言ってよいほど渡り鳥のように職場を転々とするものです。

よりよい給料と職場、待遇を求め、僕も数多くの介護施設を転々としました。

2020年の初夏、僕は夜勤専従の応募をしていた神戸市須磨区板宿にあるグループホームYに就職しました。

そのグループホームは急な坂の上にある非常に変わった建物で、2棟の建物を渡り廊下でつなげた造りになっていました。

案内してくれた所長は「こっちの煙突のある建物は昔、銭湯やったんや。入居者様のお部屋のある建物は昔はお寺で、うちの会社が両方買取って改装してグループホームにしたんよ」と教えてくれました。

昔、お寺だった….、そう聞いて誰でも気分はよくありませんよね。

でも、生活のためと割り切って勤め始めたのが恐怖体験の始まりだったんです…..

先輩が僕にみせてくれた心霊写真

介護職って僕のようにベテランでも新しい現場では1日目は先輩が付き添ってくれるんですね。今回も女性の先輩職員がこの現場の指導をしてくれました。

いくつか手順を教えてくれた後、入居者様が寝静まって暇だったので、先輩がお茶しようと控室に誘ってくれたんです。

2人でお茶を飲みながら話をしていると、突然先輩が「ねえ、あなたって幽霊とか見えたりするん?」と聞いてきたんです。

いろんな施設で働いてきて、実際そういう経験もあったのでそういった話を軽くしたんですね。

すると、先輩は「ほなら、ここ向いてへんわ」と言うので、僕は「何でですのん?」と尋ねたんです。

先輩は「ここお寺やってん。だから幽霊見える人は幽霊が出るゆうて1週間も持たへんねん」と言ったんですね。

「僕、少々のお化けやったら大丈夫ですわ」と言うと、先輩は「こんなん出るねんで」とスマホの写真を見せてくれたんです。

その写真は渡り廊下で撮った写真で、先輩と女性の入居者様が仲良く2人でピースしたもので、下からのアングルだったので渡り廊下の天井が見えていました。

そしてその天井には赤いワンピースを着た髪の長い女性が髪をダランと垂らして張り付いていたんですよ。

「何すか、これ?」と聞くと、先輩は「これだけとちゃうよ」といって、監視カメラの映像を見せてくれたんです。

カメラは入居者様の居室前の廊下を映したものだったんですが、男の子が一瞬廊下を走り抜けていった映像が撮られていたんです。

恥ずかしいけどこれを見た瞬間「あっ、ここ無理」と思いました。

夜勤初日、だれもいないはずの部屋から壁を叩く音が…

初めて夜勤を1人で担当することになって、一通りの仕事を終え、控室で書き物をしていたんです。

時間は11時をまわり、入居者様は寝静まっていたんですが、女性の入居者様が控室に来られ、「お兄ちゃん、隣の人が壁を叩いて寝られへんねん」とクレームしにきたんです。

壁を叩く部屋を聞くと、そこは空き室だったんですね。

でもグループホームは認知症の患者さんばかりなので、反論したら騒ぎ出してどうしようもないから「分かったから、ちょっとそこのソファで待っててな」といい、とりあえずその部屋に向かったんです。

女性の入居者様のお部屋に入ると、空き室のある壁からドンドンと蹴るような音がしていました。まさか、侵入者がいるのではと思い、鍵を使って空き室に入ったのですが誰もいません。

空き室を出るとピタっと音が止んだので、入居者さんに「もう音せえへんから、大丈夫やで」とお部屋に戻ってもらったんです。

控室でまた休憩してると、入居者様がまた来られて音がするとクレーム。僕が行くと同じように壁をドンドン蹴る音がしてたんです。

仕方なく僕は睡眠導入剤をその方に飲ませて寝てもらい、その晩はクレームは来ませんでした。

翌日、申し送りの時にリーダーにこっそりとその旨伝えると、「それでええんよ」と何とも言えない表情だったのが忘れられません。

金縛りの僕の周りを男の子が楽しそうに走り回っていた

ラップ音や人の気配は当たり前のその職場、なんやかんやありながら僕は夜勤を始めて3週間ほど経ったんです。自分でもよく頑張ったなと思います。

でも、我慢強い僕も遂に離職の決意をしたのが、3週間目の夜勤当日の恐怖体験のせいだったんです。

介護の夜勤は仮眠の時間があり、別フロアの職員に見回りをお願いして自分は担当フロアのソファで横になっていました。

ウトウトし始めると、フロアをパタパタ走り回る音が聞こえ、入居者様が起きてきたのかとソファから起きようとすると、金縛りにあってピクリとも身体が動かなかったんです。

何とか起きようと薄目を開けたら、5歳くらいの男の子がフロアを走り回ってるのが見えました。

白い影やら鬼火、ラップ音にポルターガイストまで別の職場で経験してきた僕も、この光景には身体が凍り付き、必死で身体を動かそうとしますが全く動けませんでした。

すると、その男の子は僕に気づいて楽しそうに僕のほうへとやってきたんです。

「来んといてくれ」と心で念じてたんですが、その子は僕の寝てるソファの前までやってきて、グルグルと走り回り始めました。

多分、1~2分だったと思いますが、そんな時って不思議と時間が1時間にも2時間にも感じられませんか?僕も異様に長い恐怖の時間を必死で耐えていました。

そうしていると別フロアの見回り職員がエレベーターで僕のフロアにやってきて、僕の金縛りは解けて飛び起きたんです。

「どうしたん?」と職員が聞いてきたので、今あったことを言うと「よくあることや。気にせんとき」と軽く答えます。
僕はこの瞬間、ここを辞めようと決意しました。

次の日、所長にそのことを話すと、「分かった。私は見たことないんやけど、今までもこんなんばかりやったから、ほんまなんやろ」と辞職を簡単に認めてくれました。

一応、ご迷惑なので日勤シフトで次の職員が見つかるまで1月ほど勤め、そこは退職することになりました。

この職場は僕の職場の恐怖体験でも5本の指に入る恐ろしいものだったんです。

いわゆる老人ホームの怖い話ですね。グループホームは24時間稼働している職場で、いわゆる病院と同様に亡くなる方がいる場所です。また、土地もコストを抑えるために曰く付きの所も多いようですので、特に霊を引きつけやすいのでしょうね。

龍由樹

実話の怖い話・みんなの怖い話の管理人です。日本全国に伝わる恐怖体験を日々収集しています。過去に事故物件に住んだ経験や愛犬の幽霊に出会った体験など霊感はないのですが、様々な体験を通して霊界に興味を持った一人です。

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