友人は幽霊に殺された?神戸のこどもの園に出る白い包帯女の霊

46歳 介護 男性 美琴さん 兵庫県神戸市中央区で本当にあった怖い話

これは僕が大学生の時、僕を含め友人3人が体験した恐ろしくも悲しいお話です。

高山と小橋という友人とで一度心霊スポットに行ってみないかということになり、関西の有名な心霊スポットに深夜に行っては楽しんでいました。

僕は霊感があるので、そいうスポットで度々幽霊を目撃していたんですが、友人二人は霊感がなく「美琴(僕)、また始まったでえ」といつもからかわれていたんです。

僕は「ほなら、絶対お前らも幽霊が見えるとこ連れてってやるわ」と、地元民は誰でも知ってるマジスポットに行こうと誘ったんですね。

そこは神戸市中央区のJR元町駅を北へ徒歩30分、再度山(ふたたびさん)の麓にある「こどもの園」という公園なんです。

僕が子供のころ聞いた話では、昔精神病院の女性の入院患者が脱走し、こどもの園でガソリンを被って焼身自殺をし、それ以来夜になると白い包帯をグルグル巻きにしたパジャマ姿の女性の幽霊が目撃されるとのこと。

まあ、神戸はイノシシが多く、山の中なので夜になってこどもの園に行く人はいないのですが、地元民はこぞって「夜はこどもの園に行ったらあかん」と口をそろえて言うくらいなんですね。

面白そうだと高山と小橋は話に乗ってきて、3人でこどもの園に行くことになったんです。

白い包帯姿の女の幽霊がクルクルと回っていた….

車で再度山の麓へ行き、駐車して夜中の11時ころこどもの園に向かった僕たち3人。地元民じゃない高山と小橋はへらへらしてましたが、地元民の僕は少しだけ後悔していたんですね。

もともとは「再度山動物園」という場所の跡地に出来たこどもの園にはポツンポツンと白い街灯が5~6本くらいしかなく、あたりは薄暗くてよく見えませんでした。

小橋は懐中電灯で辺りを照らしながら、「なんもおらへん。ハズレやな」と言ってました。

僕は半分ほっとして「まあ、しゃあないんちゃう」と笑いながら言うと、高山が1人で1点を見つめていました。

「どないしたん」と僕が言って高山の見つめる場所を見ると、人がいたんです。

この公園には通称「ジャンボすべり台」という長さが12~3メートルはあろうかという大きなすべり台があり、僕たちがいた場所から7メートル位下の場所に着地でき、小さな階段で上にあるすべり台のてっぺんに戻れるようになっているんですね。

僕と高山はそのすべり台のてっぺんから下を眺める所に立っていたんですが、下で顔を包帯でグルグル巻きにしたピンク色のパジャマを着た裸足の女性がクルクルとその場を回っていたんですよ。

高山は「あれ何….」とつぶやき、僕も言葉を失ってしまったんです。いつの間にか小橋も横に立ってライトを彼女に向けていました。

追いかけてきた包帯女

小橋のライトに気が付いてか彼女は急に立ち止まり、僕らのほうを振り向き、いきなり何も言わずすべり台を駆け上がろうとしました。

驚いた僕たちはいっせいに声も上げずに逃げ出しました。不思議と怖いときほど声ってでないものなんですね。ひたすら公園の出口へと走ったんですよ。

出口に着いた僕と小橋。でも高山だけはいません。小橋は「あかん。高山捕まったんちゃうか」と言い、2人で高山を探しに公園にまた引き戻したんですね。

おそるおそるジャンボすべり台の近くに行くと、高山がうずくまっていました。

僕が「高山、大丈夫か」と聞いたら、高山は僕の顔を見て「おお、大丈夫や」と立ち上がり、とりあえずその場を去ることにしたんですね。

3人でファミレスに入り、何があったか高山に聞くと「怖くて動けんかったからうずくまったんや。そしたら女が『子供を返して』って言うから、ごめんなさいを繰り返したんや。そしたら『許さへん』って言ったんや」と教えてくれたんです。

小橋は「マジで見てもうたな」と楽しそうに言うので、僕が「許さへんって言葉気になるなあ」と言うと、高山は「怖いこと言うなや」と苦笑いしてました。

高山に起こった悲劇

その後1月ほどは普段通りの学生生活を送っていた僕たちに悲しい出来事が起こったんです。

ある日の午後、小橋が電話をかけてきて「おい、高山亡くなったそうや」と言うので、「なんでや?」と僕が聞くと、「一昨日、急に高熱を出して病院に運ばれてなくなったらしい」と教えてくれたんです。

とにかく小橋とともに西宮市の仁川にある高山の実家に行き、お葬式の手伝いを申し出ました。

高山のお母さんは友達が来てくれたのを喜び、息子に良くしてくれてありがとうと行ってくれたんです。

小橋は「高山君が急に亡くなって驚いてるんです」というと、お母さんが「急に40度以上の高熱でうなされて、ずっと『あの女が来る、あの女が来る』って言いながら息をひきとったのよ。あの子の言ってた『あの女』について何か知ってる?」と聞いてきました。

2人ともピンときていたんですが、罪悪感もあってか答えられませんでした。

帰りに小橋と僕は「やっぱりあの幽霊に連れていかれたんかなあ」と話をし、僕は「一応、公園に花でも持っていくか」と言って2人してあの公園にお詫びをしに行きました。

2人してジャンボすべり台の前に献花し、お詫びの言葉を言ったのが功を奏したのか、それ以来不思議なことは起こっていません。

高山の死が果たしてあの包帯女のせいかどうかは分かりませんが、遊び半分で心霊スポットに行くのはやめたほうがいいと思います。

実際に心霊スポットと呼ばれている場所は、過去に誰かが「見た」から心霊スポットになっている訳でオモシロ半分に行くべき場所ではありません。特に霊感のある人は。

龍由樹

実話の怖い話・みんなの怖い話の管理人です。日本全国に伝わる恐怖体験を日々収集しています。過去に事故物件に住んだ経験や愛犬の幽霊に出会った体験など霊感はないのですが、様々な体験を通して霊界に興味を持った一人です。

みんなの怖い話(みん怖)の最新話をチェック!