31歳 セレクトショップの店長 女性 じゅりーさん 東京都中央区と港区で本当にあった心霊の怖い話
初めてあの人にであったのは、中央区のタワーマンションに住んでいたときでした。その出会いは出会ったというより、そこにいた、という感じでしょうか。
これは私が本当に体験した実話の怖い話です。
当時、私はまだ幼稚園の年長で受験も終わり小学校に通い始める少し前でした。
あの日の夜は、母の長年の親友のりえちゃんが自宅に遊びに来ていました。りえちゃんは私が生まれた時から可愛がってくれて、自宅に遊びに来るたびに私の横に寝そべり、「ロケット!」と言って寝つくまでいてくれました。
当時の寝室は、私と母が床に布団を敷いて母の横にお風呂に繋がる小廊下のようなところがありました。そしてもちろん、その晩もりえちゃんは同じようにして私と母の布団の間で「ロケット!」をして私は眠りについたのでした。
ふと夜中の3時ころでしょうかパッと目が覚めたのです。その時にはもうりえちゃんも帰宅し、母が横の布団でいびきをかいておりました。
ふと小廊下のあたりから視線を感じ寝返りを打ち振り向いてみますと、小廊下のところに髪の長い女性が正座をして座っていました。「あ、りえちゃん今日は泊まっていくんだ。」と何も考えずにまた眠りにつきました。
翌日の朝、キッチンから母が朝ごはんの用意をする音と共に目が覚めて、顔を洗い歯を磨きダイニングテーブルにつきました。
「ママー、りえちゃん昨日は遅くまでいたんだね。ママのうるさいいびきでちゃんと寝られたのかな。」「なんのこと?」という母に幼い私は何も考えずに「ほら、りえちゃんママの横で座ってたじゃん!」母は戸惑いながらも、「りえちゃんはとっくにあんたが寝たらすぐ帰ったわよ。やだー、やめてよ、おばけー?」と冗談を言いました。
若干6歳の幼い私は怖い話や心霊体験など知る由もありませんでした。
心霊との二度目の出会い
それから間もなく、私は小学校に通い始めて少しして学校に歩いて行ける港区に引っ越ししました。この新しい家では自分も部屋も与えられ、お姉さんになった気分でした。母の部屋は私の部屋の向かいありました。
ある日の夜、私は悪夢にうなされ夜中に起き、母の部屋へと向かいました。母の布団に潜り込むと、いつもなら優しく受け入れてくれる母はよほど疲れていたのか、「もう!」と言って私を置き去りに私の部屋のベッドへと行ってしまいました。
悪夢を見て、母のぬくもりを求めて行ったはずの母の部屋で母の布団に一人残され悲しくなっていると、パッと枕元が真っ白に明るく光ったのです。私の体は硬直していました。
動けなくなり息もしづらくなってきて、ただただ母の布団んに寝そべってその白い光を見つめていた、というより見つめていざるを得ない状況となっていました。
すると、その白い光から女性の顔がぬっと床から出てきたのです。その顔はこっちは見ておらず、床から天井の方を見つめ、ゆっくりゆっくり出てきて天井のほうへと向かっていきました。
それは髪の長い、引っ越しをする前あの寝室で母の横で正座をしていたあの女性でした。理由はわかりませんが、なぜがそうだとわかりました。
「これはおばけだ…。」とふと思った瞬間、気を失うかのように気が付いたら朝になっていました。
起きてすぐに母にそれを伝えると、「やめてよ、朝からー。」と笑ってはいたものの2回目ともあって今回ばかりは戸惑いを隠しきれず、少し怖がっているようにも見えたので私はそれ以来その話をするのをやめました。
その霊との出会いと別れ
それから何か月か過ぎ、何事もなかったように日はたちました。その日は父が珍しく家に帰ってきた日曜日でした。
いつも父が帰ってくる日はというと、しゃぶしゃぶを食べ両親はワインを開け晩酌をし、テレビを見て過ごすののでした。普通の家庭でしゃ普通の日常の光景かもわかりませんが、私の家では家族3人が集まることはめったにないことでした。
この日は特に特別で、両親は喧嘩もせずととても幸せな一家団欒を楽しんでベッドで眠りにつくことができたのです。
しかし、今度ばかりは悪夢や何の前触れもなく夜中にぱっと目が覚めたのです。また体は動きませんでした。
心の中「これはもしかして…」と思い始めてすぐ気づいたのです。あの女性が私のベッドの横の勉強机の椅子に座りこっちを見ていました。
目があった瞬間、また気を失ったかのように気が付いたら朝を迎えていました。
すぐに母のところに向かい何があったか説明しようとすると、なんも前触れもなく母の方から口を開きました。
「良い?今日からパパはもう二度と帰ってこないから。ママと二人で生きていこうね。」
もちろん、その時私は白く光る髪の長いおばけ女性どころじゃなくなり、その夜の心霊体験ついて母と話す機会をその時は失ったのでした。
その霊の正体は・・・
それから何年かして、私も無事に中学生になり私をちょっと大人扱いしてくれる母と二人でよくいろいろ語る機会が増えていきました。
その中でふとあの女性のことを思い出したのです。そういえば最後に見たのは何年も前だなと、そして母に言えてなかったな、と。
そして出来事を一通り伝えたあと母は今回は戸惑う様子も見せずに、「ねぇ、今思うとね、ママはその女性がパパの彼女だったんじゃないかと思うの。」と切り出したのです。「え、なに、パパの彼女死んだの?」と聞くと、
「いや、パパの彼女ねあんたが生まれる前からパパと一緒にいたのよ。でもママもパパとずっと長く一緒にいてママにあんたが出来たからパパと結婚したのよね。でもその彼女とはずっと別れないでいたみたいなの。」
ここに来て父親の不倫話なのか私の心霊体験なのか何が衝撃事実なのかよくわからなくなって困惑しだしたところで、
「あんた生霊って知ってる?生きてるのに、疎ましい気持ちが強すぎて魂だけ離れて人を呪えるんだって。あんたが生まれてきたせいでって思われてたのかもしれないね。」
ふと私も気づいたのです。父が出て行ってからは何も起きてないな、と。きっと父がその女性のもとに戻って、その女性の魂と心身ともに平和に暮らしだしたのかな、と。
これは本当に私が体験して実話で、今も思い出すたびに恐怖心を忘れられていないことを体で思い出させられます。
でももっと大人になり今はわたしも恋愛を何度か繰り返し思いますが、なによりも女性のヤキモチや嫉妬が怨念となり自分では気づかく人を呪えるっていうことが本当にあるのであれば、普通の心霊体験より怖いんじゃないかと思います。