37歳 飲食業のコンサルタント 男性 チャコさん 静岡県浜松市南区で本当にあった怖い話
私はこれまで、親が転勤族だった関係で幼い頃から引っ越しを頻繁に繰り返していました。
それが伝染したのか、大学を卒業し、独り立ちをしてからも私の引っ越しグセは治らず、一つの賃貸で契約更新をして長く住むという経験がほとんどないほど引っ越しをしてきました。
そのせいもあって、不動産屋へ行って部屋の内見をしたり、契約書に目を通す機会も多く、ここは他の物件と契約内容が違うなとか、この物件は条件がいいのに何故か安いな、などに敏感に反応するようになりました。
そして私は幼い頃から霊感体質で、私の特徴としては「ハッキリ視える」タイプでして、生身の人間と同じように彼らが見える、下手したら人間だと思って接してしまうような感じです。
そんな私が独立し、いろいろな職場、いろいろな家、いろいろな都市を転々としていれば、自ずと心霊体験も増えていくもので…
今回お話する怖い話は、私が過去一番集中的に霊体験をした家での実話です。
ちなみに私ことチャコ(男)は、30代後半で長年飲食業を経験しており、今はフリーランスで仕事をしているものです。
曰く付きの物件⁉契約の意味は
これは私が大学を卒業し、小学校3年から高校卒業まで過ごした静岡県の浜松市へのUターン就職した当時の話です。
高校まで住んでいたとは言え、当時住んでいたマンションは売却してしまっていたので、住む場所は1から探さなければいけませんでした。
その旨を地元の友達に相談したところ、
「うちの近くに手頃なマンションがあるぜー」
「マジか、場所どこ?」
「◯田町の✕✕保育園の近く」
「おおっ、前住んでたとこのすぐ近くじゃん!」
早速不動産屋に連絡をとり、物件の内覧に行きました。
不動産屋「部屋の作りは1DK、広さは45平米ですね〜」チャコ「広さはちょうどいいですね〜、奥は和室なんですね(ホントはフローリングの方が…)」
不「家賃は月3万5000円で、共益費なしです〜、もちろん敷金礼金ナシですよ」
チ「そうなんですね〜(フローリングいいや、安さには勝てん!)」
不動産屋に戻り早速契約へ、私にとってすべて1から自分の手で家を契約するのは初めてだったので、ほぼ言われるがままでした。
因みにこの場所は浜松駅から海方向へ進み、丁度住宅地と田園風景の境目辺りに位置し、徒歩でも30分、車なら10分と立地としては悪くないところでした。
土地が余ってる関係上、広さの割には安い物件は多いですが、その中でも流石に同条件では相場は4.5万に共益費ってところでしょうか。
駐車場付きにも惹かれて即契約しました。
そんな訳で、家賃3.5万共益費敷金礼金ナシのマンションに3年契約で入居することとなりました。
マンションは築年数は経っていますが小綺麗な感じでしたが、日当たりの割に薄暗いな、陰が多いな、とは感じましたが、若かった当時はあまり気にしませんでした。
仕事以外は友達と遊んでばっかりだし(近所に幼馴染がたくさんいたので)
本当に怖いものとは?
入居して3ヶ月、入社したてで覚えることも多く仕事も忙しい。
そして仕事が終わったあとは中学の友達、高校の友達と遊び回っていて、家には本当に寝に帰るだけのような生活を送っておりました。
そんなある日、仕事終わりにいつもの悪友の家へ(車通勤なので直行です)
友達を拾ってその足で、近所のレンタルショップへといつもの流れで向かいました。
アニメ好きの友人Yは、野球部出身。
気は優しくて力持ちを地で行くも、怖い系は大の苦手です。
対するチャコは、ガ◯ダムと怖い話が大好きな体育会系文化部出身のイタズラ小僧。
Yの借りたDVDの間に怖い系のタイトルを挟んでお会計。
後で猛抗議を受けるも、渋々付き合ってくれるいい友達です。
Yの家へ行き、DVDを観る準備が整った時には午前1時を回っていました。
このイタズラはほぼお約束化していて、Yが怖がる様を見て楽しむ事はよくありましたが、今回ばかりはちょっと勝手が違っていました。
そのDVDは某本当にあった系の怖い話のもので、視聴者からの投稿(というテイで作ったものもあるのかも)を紹介していくものでした。
「お分かりいただけただろうか…」の元祖?のような編集の作品で、それの確か5作目あたりのものでした。
これはゾクゾクするね〜、これはなんか作り物っぽいなぁ、などと怖がるYに言いながら見ていると、その作品の最後の投稿に、ワンルームマンションの玄関からの定点カメラで、日々の生活を記録している映像がありました。
就職活動中の男性が不採用の連絡をもらってから精神を病み、不穏な言動の果てに部屋の中で首を吊るというものでした。
部屋の中央で首を吊って10秒ほど後に電話が鳴り、留守録に繋がるメッセージの後に、
「もう知らないからな」
とその当人の声で流れる…
その映像の真偽はともかくとして、とても嫌な、怖いとも少し違う何か絡みつくような不快感を私とYは感じていました。
それから二人共言葉少なくお開きの話をし、私は帰りがけにDVDを返却BOXに入れて家へと帰りました。
(明日も仕事だし早く寝よう)
家に着いてすぐにベッドに入り、仕事疲れもあってすぐに眠りに落ちていき…
感覚的には一瞬で、あとから考えると小一時間眠った後に、急に金縛りの感覚に襲われました。
そしてお決まりの勝手にご開眼!
薄暗い部屋の中の一点に視線を強制的に持っていかれ、そこには黒い靄のようなものがありました。
そこから現れたのは青白い左右の腕。
ある文献で、人が死んだ人間のパーツで最も恐怖を感じるのは、眼と手だと記されています。
それは普段よく動くものが全く動いてないからだそうです。
対して眼前の腕は、ワキワキ動いています、肘から先だけで。
動いているのに生きてるはずがない。
この矛盾が恐ろしくて仕方ありません。
やがてもう一対の青白い腕が現れ、
その後に、
小さな子供の両腕が出てきました。
小さな子供の腕は私の首に指を這わせ、ゆっくりと締めてきました。
その時何故か、金縛りとは別に、抵抗できない、したくないという気持ちがこみ上げてきて、されるがままになっている自分がいました。
やがてはっと我に返り夢中で腕を振り払って玄関へ駆け出し、枕元の携帯と車の鍵だけ持って家を飛び出しました。
脇目も振らず車に飛び乗り、Yの家の前まで言って電話を掛けた時には4時を回っていました。
恐怖は時間を選ばない!
事の顛末を聞いたYは暫くうちから通うことを提案したくれましたが、流石に申し訳なく思い、数人の友人宅を転々
としながら5日間を過ごし、休みの日にやっと家に帰ることになりました。
日の長い季節で明るいうちなら怖くもないだろうと思い家に入ってみましたが、案の定異常はナシ。
見間違いだったのかと思いかけて、首に巻き付く指の感覚に恐怖を思い出します。
とにかくまた家で生活することを決意し、しばらくは何事もなく過ぎていきました。
そんなある日、長い連勤が明け、今日は昼間で寝るぞ〜と心に決めて眠りについた翌日、宣言通り10時過ぎに布団の中で目が覚めました。
頭から布団に包まりその中で携帯を見て時間を確認し、水でも飲もうと布団を薄くめくる途中で、理解し難いものがチラッと見えました。
…台所を女の人が歩いてる…
玄関の横にある台所からベッドまでは一直線で見えるので、その足が右へ行ったり左へ行ったりしているのが布団の隙間から見えています。
(夢だよね〜、もっかい寝る)
布団を戻し10分ほど思考停止、再度布団を軽くめくるが状況は変わらず。
布団の中からYに電話を掛け、
Y「(眠い…)どったの?」
チャコ「部屋の中に貞◯が居るんよ(泣)」
Y「◯子は昼間に出ないでしょ」
チ「でも居る場合はどしたらいい?」
Y「今から行ってあげるね」
当時求職中のYはネトゲ廃人で、朝5時に就寝する生活でしたが眠い中助けに来てくれました、ホントに感謝!
私の部屋には不在時でも友達が入れるように、郵便受けにスペアキーを入れてありました。
今考えると不用心極まりないのですが、この時ばかりは助かりました。
15分程してYは部屋を確認して、私に誰も居ないことを教えたくれました。
怪異は続く…、恐怖の部屋の正体は
結局このような心霊現象は、私が契約満期で引っ越しをするまでの3年間、断続的に続きました。
何故私がこんな目に遭いながらずっと住み続けたか、立地の良さ、費用の安さ、周りが友達だらけだったのもありますが、昔からこの手の現象はよくあったからでしょうか。
部屋を退去する時に、不動産屋の担当の方に疑問をぶつけてみました。
チャコ「このマンションは3年契約と2年契約の部屋がありますよね?」
「3年契約の部屋は2年以前に退去すると違約金発生する代わりに家賃が安いんですよね」
「3年契約の部屋は何かあるんじゃないですか?」
不動産屋「何かありましたか?」
チャコ「ありました」
不「そうですか」
チ「どうにかするつもりはないんですが、ホントの事知りたいです」
不「よく分からないんですよ、決まった部屋だけ退去が多くて。」
不「皆様話したがらないんですよ、教えてくれますか?」
確かに何か話してはいけないような気持ちにはなっていました。
不動産屋さん曰く、事故物件ではないらしい、真偽はわかりませんが。
不動産屋さんには、不気味なことがあった、とだけ伝えておいた。
なんともオチのない話だと思いますが、皆さんよく考えてみて下さい。
本当の恐怖体験ってそもそもオチなんてないんです、理解できないから恐ろしい部分もあるんですけどね。
子供の腕に首を締められた夜から私は、あれほど好きだった心霊スポット探索や怖い話収集を、自ら進んではやらなくなりました。
好奇心は身を滅ぼすということでしょうか。
このマンションの話はまだまだ沢山ありますが、また披露する機会がありましたら是非聴いて頂きたい、どれもオチのない恐怖に満ち溢れていますから…
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