26歳 美容部員 女性 ぴー子さん 宮城県仙台市泉区で本当にあった怖い話
これは私の父が学生の頃に宮城県泉区のある公園で体験した実話です。
父は子供のころから強い霊感がある人で、10代のころは生きている人と心霊の違いが判らないほどはっきりと見えていたそうです。
年を重ねるほどに見えなくなってきたらしいのですが、今から話す話は、ある日一緒に晩酌をしていたときにポロっとこぼすように話してくれたゾッとした怖い話です…。
宮城県泉ヶ岳近くのとある町
父が大学生の頃、当時夜に山岳道路などをすごい速さの車で走る「走り屋」というのが流行っていたそうで、当然年ごろだった父も走り屋に憧れ、バイトをし念願の自分の車を買い、夏休みは泉ヶ岳という地元の山の山岳道路を車でひたすら走っていたそうです。地元の山といっても自宅からは30分以上かかる場所にあり、普段は通らないであろう古い住宅街を抜けて山に入るらしいのですが、その住宅街を通るときに小さな公園があったそうです。
いつもその公園の近くを通るときになにか不気味な感覚があったらしいのですが、この時ちゃんと気にしていればあんなことにはならなかっただろうになあ。
友人S君に誘われて
その夜も父は仲の良い友人S君と二人で走りに行っていました。山を登っては下り登っては下りを繰り返し、2時を過ぎる頃にはさすがに二人とも疲れてしまい、休憩をとろうと山を一度降りることになりました。
山を下りてすぐに助手席にいたS君が「あそこの公園に自販機があるからベンチで休もう!」と例の公園を指さし誘ってきたそうです。
父も一瞬戸惑ったそうですが、S君に言い出せず、嫌な雰囲気を無視して公園の側に車を止め、公園に入ってしまったそうです。
ジャングルジムの女の子
公園は住宅街によくある、自販機と街頭に照らされたベンチと遊具が数点ある程度の大きさだったそうです。S君は助手席に乗せてくれたお礼にと自販機でコーヒーを買ってくれ、父はというと自販機の横のベンチで煙草を煙らせていたそうです。
二人で煙草を吸いながらコーヒーを飲んでいると、急にふとS君が少し遠くのジャングルジムのほうを見つめ「あのジャングルジムの上に子供いないか?」と言い、父もすぐさまS君の目線の先を見つめると確かのジャングルジムの上に白い半袖にピンクのハーフパンツを履いた6歳くらいの女の子が体育すわりで座っていたそうです。
S君はすぐに遠くのジャングルジムに向かって大声で「何してんだ?」と聞くと、すぐに女の子が大声で「お父さん待ってるの!」と返してきたそう。
おそらく自分たちと同じような走り屋をしているお父さんが、非情にも娘をここで待たせており、健気に一人で公園で待っているのだと二人は解釈したそうです。
面倒見の良いS君は女の子が可哀そうだと思ったのか「お父さんが来るまで一緒にブランコで遊ぼう!」とベンチの側にあったブランコを指さし女の子を呼ぶと、女の子は嬉しそうにジャングルジムから降りて走ってきたそうです。
すると誘った本人のS君が強い力でコーヒーを飲んでいた父の首元を引っ張り上げ、全速力で公園の出口まで父を引きずるかのように走って行き、公園脇に止めていた車に押されるように二人で乗車しました。
さすがの父も「何やってんだ!?」と半ば怒りながら聞くと、「お前こそ何見てたんだよ!?!?」とS君は半泣きで車を出せと暴れるようにハンドルを揺らすので、仕方なく車を出したとき、公園の出口の前で無表情でこちらを見る女の子を一瞬見たそうです。
女の子が本当に見ていたものは…
二人の地元まで車を走らせ、たくさんの人が出入りしている大きなパチンコ屋さんの駐車場に車を止め、父はS君に事情を聞きました。
父「お前何があったんだ?」
S 「俺があの女の子に声かけてさ、女の子がジャングルジム降りてめっちゃ嬉しそうに駆けてきたじゃん。俺それずっと見てたんだけどさ、女の子の身体からさ、ジャングルジムが透けてるんだわ」
S 「それも笑ってるんだけど、俺じゃなくてずっと お 前 を 見 て た ん だ よ 」
おそらくその女の子の心霊は公園から出られず、霊感の強い父の力を借りて公園から出ようとしていたのではないかと、のちに父は話していまいた。
時代は変わり、泉ヶ岳を走っていた走り屋はもういなくなりましたが、ある古い住宅街は今も存在しています。
あの女の子は今でもそのジャングルジムの上で、父ではない誰かを待っているのかもしれません。
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