26歳 保育士 女性 りんごさん 兵庫県三田市内の中学校で本当にあった怖い話
これは、私が中学生の時に経験した実話の恐怖体験です。
はじまり
中学生の頃、ごく普通の平穏な生活を送っていたある日のこと。
1日に一度、必ず訪れる掃除の時間。
私が所属していた班は、その週は女子トイレの掃除を任されていた。
いつも通り、床を水で浸してブラシでこすったり、洗面所やトイレの便器を磨いたりして掃除を進めていた時、同じ班であった女の子の一人が突然、
「そういえばうちの学校、なんか幽霊出るらしいよ?」と話し始めた。
私ともう一人の別の友達は、「またまた~!何なのその話!幽霊なんて本当にいるの?」
と、まともに取り合わず冗談めいた反応を返した。
話し始めた女の子が、「それが本当みたいなの!トイレで見たって話を友達から聞いてさ!」と続けた。
私達は、「え?ちょっと辞めてよ。ここまさしくトイレじゃん(笑)」と返事をした。
その時である。
一番奥の唯一の洋式トイレの扉の方から、小さく「コン」とノックするような音が聴こえてきた。
私達の空気は一瞬、凍りついたような気がした。
友達が、「今の何?誰か扉ノックしたりした?」と聞くけれども、全員首を振る。
「じゃあまさか…。」
そう思ったその瞬間、もう一度洋式トイレの方面から、先程よりもかなり大きな音で「ドンッ」と叩くような音が鳴り響いた。
私達は恐怖のあまり、叫びながら走ってその場を逃げ出した。
その後、同じ時間に隣の男子トイレを掃除していた男子メンバーに、「掃除の時間中にさ、一番奥の女子トイレ目掛けて、壁越しになんか叩いたりした?」と念のため確認を取ってみたものの、「何それ?そんなことしてないけど。」との返答。
そもそも女子トイレと男子トイレは隣同士にあるけれども、1~2メートル程壁により間があるため、よっぽどでない限り、男子トイレ方面からの仕業であるとは断定しづらかった。
結局この心霊現象は謎に包まれたまま、またいつも通り日常は過ぎていった。
更なる出来事が…
あの謎の事件からしばらく経ち、夏休みに入った頃のこと。
私は吹奏楽部の部長を務めており、コンクールに向けて金管楽器のトロンボーンの練習を毎日重ねていた。
音楽室で打楽器パート、別の教室で金管楽器パート、更にもう一つ別に、金管楽器パートの隣の教室で、木管楽器パートが練習をしていたある日。
木管楽器パートの教室から、突然何十個にも相当しそうな数の積み上げられた椅子が一斉に雪崩のように落ちる音が聞こえてきた。
何事かと思い駆け付けたが、特に異常は見られなかった。
「気のせいだったのか…?」と首を傾げながら、パート練習を終え、音楽室に戻ろうとしていた、その時。
たまたま同じ階にあるトイレに行っていた打楽器パートの女の子2人が泣きながら音楽室に帰ってきた。
「どうしたの?!大丈夫?!何があったの?!」と聞くと、「トイレに、白い服を着た、髪の長い女の人がいたの…。」と伝えてきた。
やっぱり何かおかしい。何かあるのかもしれない。
もう夕暮れ時に差し掛かっていたこともあり、部員も皆この怖い話に泣き出したり怯えたり混乱していた状態であったので、顧問の先生と相談した結果、その日の練習はもう終わりとし、早々と全員学校を後にすることとした。
真相は…
部活動中での心霊現象について、後に顧問の先生と話していたところ、驚くべき事実を聞かされた。
というのも、実は私達の中学校は古く、戦争があった時代は墓地であったということが分かったのである。
顧問の先生いわく、「その時の幽霊がまだ成仏されず、すっと学校のトイレを彷徨っているのではないか」とのことであった。
部員が怯えたままでは、練習がままならなってしまうが、本格的な除霊等出来るはずがなかったので、ひとまず私は顧問の先生と二人で、後にトイレに行って清め塩を撒き、「もう騒ぎ立てたりしませんので、どうか成仏して下さい。」とひたすらに念を唱え続けた。
その祈りが効いたのか、それ以来トイレの心霊現象は聞かなくなった。
未だにあれが何だったのかはよく分からない。実に不思議な実話であった。