58歳 あづきもなか 女性 福祉施設職員さん 愛知県大府市で本当にあった怖い話
自宅で起こったことなので、家族が怖がると思い誰にも話していません。霊感のない私が体験し、今でも不安に感じている実話です。
毎晩のように続く金縛り
それは35年ほど前のことです。新婚2年目で初めての子を身ごもったばかりの頃でした。
ある晩、一人でベッドに入りうとうとと眠りについた時でした。
足元に重みを感じ、それがだんだんと胸まで広がってきます。変な夢を見てるんだと思った私は、起き上がろうとしましたが体が動きません。声も出なければ、目も開かないのです。何とか動こうと数分間もがいて、束縛が解けたようにがばっと起き上がる。周りを見回しても何も変わったことがなく、その後は問題なく就寝できる。そんなことが毎晩のように続きました。
始めのうちは、初めての妊娠でホルモンバランスが崩れて気が高ぶっているのだろうと、あまり気にしていませんでした。しかし、2週間も続くと気味が悪くなってきました。
当時、主人は夜勤が多く、寝るのはもっぱら昼間でした。その主人も、時期を同じくして、外がうるさくて眠れなかったと愚痴をこぼすようになりました。我が家の前は保育園で、日中は子供の声が聞こえます。しかし、最近特にうるさくなっているわけでもなく、不思議だなと感じていました。
友人の子供の奇妙な行動
そんなある日、友人が子供を連れて遊びに来ました。当時5歳の女の子は活発で、好奇心の強い子でした。
友人と私が話し込んでいると、その子は「探検してくる」と言って、家中を覗いて回り始めました。しかし、二階に上る足音がしたなと思っているとすぐに走って階段を下りてきて、
「おばちゃん、女の子が泣いている。かわいそう。」
と、私を呼びに来たのです。私の家は主人と二人暮らし。女の子などいるはずがありません。
でも、「早く、早く」と私の手を引いて、二階に上がっていきました。
その子が入って行ったのは、寝室でした。「ほら」と、指さした先には誰もいません。
「あれ、いなくなっちゃった。」
と、その子は寝室の中を歩き回り、私は狐につままれたように見ていました。
友人から聞いた怖い話
後からついて来たはずの友人はというと、寝室の入り口で怯えたような表情で立っていました。その時、私は思い出したのです。友人には霊感があり、祠やお墓の前に来ると、よくそんな表情で立ち尽くしていたことを・・・。
「もしかして、いる?」
と、聞く私に、
「ベッドの足元から枕もとの横の窓に向かって心霊が歩いている。それも、たくさん。」
と、友人が答え、そして聞きました。
「足元の方角わかる?」
「うーんと、こっちが北だから北東かな。」
「じゃあ、窓は南西だね。」
と言って、納得したような顔で説明をしてくれました。
なぜかはわからないけど、心霊の通り道になっていること。害はないと思うがベッドは動かしたほうがよいこと。金縛りは体の上を心霊が通ることと関係があるかもしれないこと。そして、
「霊の通り道は開いたり閉じたりするから。」
と言い残すと、話もそこそこに帰っていきました。
半信半疑の夜に
その夜、一人ではベッドを動かすこともできないし、何よりも半信半疑だった私は、いつものようにベッドに横になりました。うとうとすると、金縛りが始まりました。心霊の存在が信じられず確かめたかった私は、なんとか目を開けようと努力しました。
すると、その夜は目が開いたのです。その目に飛び込んできたのは、足元の壁から湧き出して窓のある壁に吸い込まれていく、無数の白い影でした。そして、次の瞬間には深い眠りに落ちたのでした。
次の日、帰ってきた主人に頼み込み、ベッドを一階に運んでもらいました。お腹が大きくなってきて、二階に上がるのが大変だという理由で。それ以来、金縛りはなくなりました。二階のその部屋は納戸として使用し、しばらく人が住むことはありませんでした。
今も不安が
納戸として使用していたその部屋は、その後も時々物音がして、家族のなかではネズミでもいるのかなと話題に上ることがありました。私の子供は三人に増えて、それぞれ部屋がほしいと言い出し、その部屋を使わざるおえなくなりました。
でも、私はどうしても使う勇気が出ず、家が手狭になったからと、築20年を待たずに建て替えてしましました。
以前、寝室があった場所は主人の書斎にして、夜間に人がいることはないようにしました。
でも、友人が最後に言った
「霊の通り道は開いたり閉じたりするから。」
という言葉が忘れられず、今も不安な時があります。
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