35歳 専業主婦 女性 さちこさん 愛知県名古屋市で本当にあった怖い話
これは私が小学6年生の時に体験した実話です。
その頃の私は多感な時期だったせいか、心霊体験を何度かしていました。
その中でも、今でも強烈に記憶に残っている話です。
ある駐車場で
この話は愛知県名古屋市の駐車場での出来事です。
その日は、母の姉である叔母のマンションの内見をするために皆でその現場へ向かっていました。
叔母の住んでいる家は古く、立地も不便なところなので、この際私たちの家の近くに新しくマンションを購入してはどうか?という話が持ち上がっていたからです。
叔母と私の他に、母と妹も内見に同行することになり、母の運転で目的地に向かっていました。
内見予定のマンションは新築だったため、まだ駐車場が完成しておらず、事前に近くの契約駐車場に止めるように言われていました。
私たちは車を言われた通りの駐車場に止め、見に行こうと思ったその時、ついさっきまで行く気満々だった私の気持ちが急に冷め、私はなぜか一人車内で待っていることにしました。
母と妹と叔母の3人は「一緒に行こう」と何度も誘ってくれましたが、私は頑なに断りました。
3人が出掛けて行き、私は靴を脱ぎ座席に横になりました。
突然の金縛り
まだ、春先だったため、窓を閉めていても暑くなく、私はいつの間にかウトウトと眠り始めてしまいました。
どれくらい時間が経ったのかはわかりませんが、突如不快な感覚に陥りました。
体が動かず、目を開けることもできません。
私は、真っ昼間の駐車場の車内で金縛りのような状態になったのでした。
その直後、遠くから声が聞こえてきました。
女性が叫ぶように何かを言っています。
その声はどんどん近づいてきました。
私はどうすることもできずにその声を聞いていましたが、その女性が何を言っているのか理解できたその時、一瞬で凄まじい恐怖に包まれました。
女は叫ぶようにお経を唱えていたのです。
声はすごいスピードで車に近づいてきました。
その時、車の後ろ側からバン!と大きな音が聞こえました。
誰かがぶつかったような鈍い音でした。
しかし、私の体は金縛りのせいなのか、恐怖のせいなのか全く動きません。
私はただただこの状態から早く抜け出したい思いでいっぱいでした。
頭に恐怖の映像が映る
その時、目をつぶっているはずの私の頭に突如映像のようなものが流れ込んできました。
それは、長い黒髪を振り乱した女が車の窓から私を眺めている映像でした。
長い髪はチリチリに焼け焦げ、目を剥き出し、すごい形相で車内を見渡しています。
女は手で車をドンドンと乱暴に叩きながら運転席まで辿り着き、運転席のドアをガチャガチャと音を立てました。
もはや私は何も考えられず、とにかく早くこの場所から離れたいと祈るだけでした。
その後、女は諦めたのか車から遠ざかっていきました。
女の甲高い声で唱えられているお経も小さくなっていきます。
そして周りが静かになった途端、私の体はフッと軽くなりました。
私は飛び起き、すぐに車から出ました。
駐車場で過去に起こった恐怖の出来事
そこには、なんの変哲もないごく普通の駐車場がありました。
太陽に照らされ、風も気持ちよく、私は今さっき体験したことが嘘のようにすら思いました。
その後、私は慌てて母と妹と叔母を探しました。
ちょうど3人は内見を終え、駐車場に向かっているところでした。
私は3人に駆け寄りました。
3人は汗でびしょびしょに濡れた私を見て驚き、そんな3人に私は今体験したことを興奮気味に話しました。
にわかには信じられない私の話を聞いた3人は、あきらかに戸惑っているようでしたが、決して馬鹿にすることなく受け止めてくれました。
その後、母がそのマンションの近くの友人に話を聞いたところ、数年前にそのマンションの建設地で火事があったことがわかりました。
ご夫婦2人が亡くなられたそうです。
私が見た女が、その火事で亡くなった女性の霊だったかは今でも分かりません。
けれども、叔母がそのマンションを購入することはもちろんありませんでした。
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