44歳 会社員 女性 かとりーぬさんの心霊体験
このお話は、昔から霊感がある私と母が、実際に体験した心霊の実話です。
体験をしたのは30年前の夏が終わりかけた頃。
私たちは、兄の結納のため義理の姉となる、女性の実家へ車で向かいました。
高速を避けて下道を通行したが
当時家族で住んでいたのは千葉県の北西部で、行先は青森県にある十和田湖近く、高速道路で向かえば早く到着出来るのですが、父は高速道路が苦手で、普段から遠い場所に向かうのも、それ以外の道を選んで目的地に向かうタイプでした。
私たちがたどったコースは、千葉県から茨城県の久慈川沿いを通り、福島県を抜けてひたすら北へ向かうといったもの。
自宅を出発したのは22時頃で翌朝には何事もなく青森県に入り、義理の姉となる女性の実家に到着しました。
ただ結納の前、彼女が父親に呼ばれて、私の兄との結婚の意思を確認されていたのですが、後で聞くと、その時、彼女は父親から反対されていたようです。
しかし彼女の意思は固く、ほだされたお父様は兄との結婚を承諾してくれたそうです。
結納も無事に終わり、その後は彼女の叔父様や叔母様など親戚の方が沢山集まってくださり、にぎやかな宴会がスタート。
私たちは翌日も青森に滞在して観光地巡りを楽しんでから、また深夜を迎える前に帰路へつきました。
帰りのコースも行きと同じで、福島方面に進路を取り茨城県の久慈川に沿った道を自宅へと向かうものでした。
同じ道を走ってしまう
何かがおかしくなってきたのは、福島県に入った頃です。
いつもであれば初めて通る道であっても、地図さえあれば迷うことの無かった父が、道に初めて迷い、
どうにもならなくなったのでしょう、「ちょっと何処かで道を尋ねよう」と言いました。
少し走って行くと夜勤の方がいらっしゃるのか、深夜だというのに灯りがこぼれる小学校が見つかり、父はそこで道を尋ねることにしたのです。
出て来てくださったのは用務員さんでした。
父はすぐに、自分が何処にいるのか理解出来たようだったので、私たちも安心してハンドルを任せました。
しかし、ここからが恐怖体験の始まりだったのです。
その後、父は何度聞いても、また道を尋ねた小学校へと戻ってしまうのです。
あるバス停に人影が・・・
3回同じことを繰り返し、やっと目的にしていた道にたどり着いたものの、母と私にはとても嫌な予感がありました。
福島県から茨城県に入り久慈川を沿いを行きと同じように走っていると、母と私は急に体がぞわぞわとし始めました。
周囲にはあまり民家などなく、街灯などもまばらな上に、昼光色の灯りが私たちの恐怖を煽りました。
私はここから車の全てのミラーに目を向けられなくなったのですが、通り過ぎたバス停には真夜中だというのに母と娘のような姿があったのです。
おそらく時間は2時頃。
こんな時間にバスなど来るはずがありません。
父には霊感など全くないので、至って普通に運転をしています。
しかし普段おしゃべりな母が、助手席に座る私の後ろで黙っているのです。
疲れ切った兄と兄の彼女は眠っていました。
恐怖を感じていたのは母と私だけ。
恐いながらも外をちらっと見た私の目の前に、チカチカと妙な光り方をする古い電話ボックスが見えて来ました。
母も同じようにその光景を視ていましたが、急に「見ちゃだめ」と、私を助けるように叫んだのです。
やっとコンビニで下車して
やっと車が賑やかな場所に入り、コンビニが見えてきた途端、私と母は耐えきれず父に「とにかくコンビニに寄って」と叫ぶようにお願いします。何があったのかと動揺する父に私も頼んで、コンビニへ寄ってもらいました。店に入って少ししてやっと落ち着きを取り戻した私たち。
その時です。
母が「なんかお母さん左肩が痛くてヒリヒリする」と言いました。
車に戻り母の左肩を見てあげると、後ろからぐっとつかまれたような、薬指と中指、人差し指の爪先で引っ張られたような生々しい傷跡があったのです。
母の後ろにいた二人がそんなことをしたら騒ぎになるでしょうし、いったい誰がそんな痛みも伴うリアルな爪痕を残したのかどう考えても分かりません。自宅に戻ってから消毒をし手当てしましたが、その爪痕は3週間近く治らず、何年か痕を残すものでした。
母に痛みの状態を尋ねましたが、じりじりと焼けるような痛みだったそうです。
今でもこの話を思い出すとぞっとしますが、もしかしたら兄と義理の姉となった女性の結婚を誰かが反対していたのかもしれません。
現在の二人がその後どうなったかと言うと、子供を一人もうけたものの数年の結婚生活で幕を閉じてしまいました。
こちらは、心霊というよりも、生霊の可能性もありますね。
心霊より、人間の方が怖い!なんてことばがありますが、やはり霊界もしかり!普通の心霊よりも霊界の方が怖いものです。
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