65歳 年金暮らし 男性 redfreesiaさん 神奈川県相模原市で本当にあった怖い話
これからお話する内容は、今から丁度5年前に私が経験した実話に基づく恐怖体験です。
私は昔から心霊や心霊といった神秘的な現象に対しては否定的で、そのような現象も、必ずその背景には生理学的或いは自然科学的な根拠が何か存在していて、科学的な事象として常に説明がされるものと、その時までは確信していました。
引っ越しした中古の木造一戸建てで
当時私は、長年暮らしてきた海老名のマンションから、八王子のみなみ野に購入した中古の木造一戸建てに引越し、家内と二人の息子の四人で新たな場所での生活を始めたところでした。
それまでは、私は心霊現象的なこととは全く無縁だったのですが、そこで暮らすようになってから、不自然な現象に遭遇するようになりました。
海老名に居た頃には全くそのようなことはなかったのですが、誰も居ない所から突然大きな物音がしたり、誰も居ない二階で人が歩くような音が聞こえたりと、不可解なことが起こるようになりました。
鉄筋のマンションと違って木造家屋では、柱や梁などの歪みによって音がすることがあるらしく、その類だと思っていました。
金縛りにあうように
不可解な現象はそれだけではなく、ここに来てから金縛りにもよく掛かるようになりました。
金縛りには必ず予兆があり、寝ている時に「キーン」という金属音的な耳鳴りがして、その音に気が付くと既に体は全く動かせなくなっているのです。
そして体を動かそうともがいている内に、何時も眠ってしまうのです。ですから、朝起きた時には昨夜起こった金縛りのことは覚えているのですが、それが事実だったのか、夢だったのかは判別が出来ませんでした。
引っ越して間もない初めての夏に
そしてそれは、みなみ野に引っ越してまだ間もない初めての夏の出来事でした。
私の家内の実家は中央本線の藤野というところにあります。
海老名に居た頃は藤野の実家までは車で二時間掛かっていましたが、みなみ野からだと一時間と、以前よりも随分と実家には近くなりました。
みなみ野の物件を積極的に探したのは家内で、義理の父親が亡くなってからそこには母親が一人で暮らしています。
家内としては実の母親の少しでも近くに越したかったのだと思います。
藤野駅の近くのトンネルの先に
甲州街道を藤野駅の少し手前で右折して山の手に入り、中央本線の踏み切りを渡ると直ぐに古びたトンネルがあります。
このトンネルを抜けて20分ほど登ったところに家内の実家はあります。陣馬山の麓に当たり、猿や猪などが出没するような山間部です。
家内には姉が一人いて、その姉夫婦と我々とが隔週で実家を訪れて、母親の様子を見ていました。
その日は我々が実家に行く番で、家内と下の息子と三人で行き、お盆でもあったので、実家に一泊することにしました。
家内の実家は裏の斜面でお茶の栽培をやっており、そのお茶畑の少し上には先祖代々のお墓があります。
そしてそのお墓の傍には朽ち掛けた祠があり、何やら木彫りの大変古そうな武者を思わせるような人形が数体祭られていました。
ここいらには昔お寺があり、周囲はお墓だったと、家内が亡くなった父親から聞いていたと言っていました。
その父親が若かった頃にこの辺りを畑にするため開墾していた際、人骨が出てきたそうです。
実家に出向いた私達は、お盆でもあったので、裏山の先祖代々の墓を三人で掃除をして清めてからお線香をあげました。
私は、そのついでに例の祠の中を扉越しに何気に覗いてみると、祠の中の祭壇に祭られていた古びた木彫りの人形の内の一つが祭壇から床に落ちていました。
地震の時にでも落ちたのだろうと特に気にも留めずに実家の家に戻りました。実家は古い家なので、お盆には盆棚を祭り、お供え物や花、精霊馬などを飾ります。夕方には庭先で迎え火を炊きます。
キーンの金縛りの予告が・・・
そしてその晩はお墓の掃除など久々によく動いたせいか、大変疲れていたので11時前には床に就きました。
私が異変に気付いたのは例の「キーン」という耳鳴りによってです。
私は直ぐに金縛りだと思いました。既にみなみ野の家で何度か経験していたので、極めて冷静でした。
私は、先ず体が動かせるか確かめてみることにしました。手足、頭、胴体は何処も全く動かせませんでしたが、呼吸だけは普通に出来ます。何時もはここまででしたが、その日の金縛りは何時もとは違っていました。
何やら遠くの方から木で木を叩くような微かな「ガタガタ」というような音が聞こえ出し、その音が段々と私の耳元に近づいてきます。
そしてその音が耳元まで来ると、急に仰向けで寝ていた私の上半身だけが、硬直した状態で起き上がってくるような感覚に襲われました。
上半身だけが起き上がる
流石に、何時もとは違うこの状況に、私は焦りと恐怖を覚えました。
その間も「ガタガタ」という音は聞こえており、上半身はどんどん起き上がってきています。
このままでは何か大変なことになってしまうと感じた私は、何とかこの状況から脱したいともがくのですが、体は全く動きません。
呼吸は普通に出来るので声を出そうとしましたが、声が出ません。
吐いた息は素通りしてしまい声になりません。体は起き上がってきます。
何度も必死に声を出そうと息を吐いていると、やっとのことで声というよりも、うめくような音が出た瞬間、体が動くようになりました。
気が付くと私は布団の上に仰向けに横たわっていました。私はこのことが夢ではなかったことを確認するために、布団の上に胡坐をかいて座り込み、薄暗い部屋の中を暫くの間見回していました。
体中冷や汗でびっしょりでした。隣には、家内と息子が寝ていました。
息子の夢とつながっていた
翌朝、昨夜の金縛りのことや祠の人形のことを家族や義母に話をしたところ、息子が昨夜おかしな夢を見たと言い出しました。それは、ざんばら頭でボロボロの浴衣を纏った血塗れの落ち武者風の男の人が、寝ている私の顔を上から覗き込んでいるというものでした。
それを聞いた義母は、祠の人形を祭壇に戻して、お線香をあげるようにと言うので、私達はそのようにしました。
その日の夕方には送り火を炊き、再びお線香をあげてからみなみ野の家に帰りました。
その日以降、よく耳にしていた不可解な物音はしなくなり、金縛りに掛かることもなくなりました。そのことを境に、私は心霊や心霊的な現象の存在を多少は信じるようになりました。
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超怖いというわけでもないけどでも話の内容がリアルすぎて鳥肌がたちました!でも本当に成仏できたのはすごいと思いました!
金縛りの予告があるのは嫌ですね。
また、家族が絡むと余計に怖いです。
自分もよく金縛りにあうので他人事ではない気がしながら読ませていただきました。家族にも異変が起きていたなんて本当に恐ろしいですね。
自分も何らかのお祓いか何かをした方が良いかもしれないと思いました。
家族での怖い体験って何とも不思議です。お線香をあげてようやく成仏できたのでしょうね。一件落着ということでよかったと思いましたが、怖くて途中、何度かつばを飲み込みました。
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