34歳 会社員 男性の心霊体験
よく霊感は遺伝すると言われています。
そんな事は全く信じていないかった私ですが、20歳前後を境におかしな体験が続き、父がどうやらかなり霊感が高かったようで、物理的に全く説明がつかない体験をたくさん経験してきました。
その中の一つを今回ご紹介します。
帰省した実家で体験したこと
これは20代中頃に実家に帰省した時の恐怖体験です。
私の実家はかなり田舎で過疎化も進み、人口の過半数が高齢者という場所です。
人気も無く、車もほとんど通らず、夜の街灯もほとんどありません。
その話をすると大抵の人が、何か怖いという印象を受けるようですが、慣れなのでしょうか、海と山に囲まれ、街灯が無い分星が凄くきれいに見える実家が私は好きでした。
当時実家には両親と祖父母が住んでおり、兄弟もみんな他の場所で暮らしていました。
父が建築家という事もあり、家をリフォームすることがよくあり、久々に帰った実家も私が知っていた場所とは若干変わっていました。
4人での生活は1階部分だけで事足りるらしく、二階がかなりリフォームされていました。
かろうじて私の部屋は残っていたので幸いでしたが、カーテンのようなもので仕切った隣の部屋がクローゼット兼物置になっていたんです。
実は私は幼少期から実家にあるもので苦手なものが幾つかあったのですが(主に人形)、それが全て隣の部屋にある事を確認し、若干嫌な気持ちがしました。
お盆や正月は同級生等県外に住む若者たちで賑わう田舎町ですが、私は仕事の関係でそういった時期に帰ることが出来ず、いつもずらして帰っていたんです。
特に予定も無いので2泊3日の帰省でしたが、家でまったり過ごすことにしました。
普段は寝る時間も深夜を越える私でしたが、実家での久しぶりの健康的な生活に満足していました。
ちなみに私の家族は夜21時頃になると自室に移動します。もちろん祖父母はもっと早く寝てしまいます。
私も数本のビールを持ち、家にある漫画を読みながら眠くなるのを待ちました。
深夜を0時を超えたとき
安心感でしょうか、不思議と22時くらいには少しうとうとし始めて持ち込んだビールを飲み切って床に就くことにしました。
深夜0時くらいでしょうか、私は人の声でうっすら目が覚めたんです。それは外から聞こえてきました。何を言っているのかわかりませんでしたが、声からすると酔った若者が騒いでいるようなそんな声です。
「この酔っ払いが!」
と心で罵りながら、再び眠りにつくことにしたのですが、そこでハッと気が付きました。
「あ!そういえば今実家だ!」
普段は関東に住んでおり、夜中に外から酔っ払いの声が聞こえることは日常茶飯事だったので、一瞬当たり前のように感じたのですが、実家ではそれはあり得ない事なんです。
私は近所の住民は全て知っています。
私と同年代の人が住んでいる場所まで歩いて30分ほどかかります。
ましてやこんな時期がズレた時に近所の若者が帰省しているはずが無いのです。むしろ私の知る限り、近所にそんな若者はいません。
嫌な予感がし、少し声が遠ざかった所で、思い切り窓を開けました。
そこには暗闇だけが広がり、人の気配どころか物音一つしませんでした。
凄く嫌な気持ちがしましたが、まぁこういう経験は過去にもあったので、何とか眠りにつくことが出来ました。
昭和の服を来た子供
その後私は完全に熟睡していたのですが、今度はうっすらじゃなく、はっきり目が覚めました。
そこには私の部屋を走り回る白い子供が二人いました。
洋服はまるで昭和のような古いものでとりあえず全身白いんです。
これはマズい、と感じ体を動かそうとしたのですが、完全に金縛りに遭っていました。
金縛りは疲れや飲酒など身体的な問題だと自分に言い聞かせていたのですが、その時は意識がハッキリしており、かろうじて目が動かせるような感覚だけありました。しかし
「キャハハ」
とはしゃぐ子供声だけはクリアに聞こえて、次第に恐怖を感じ始めました。
その時私は横を向いて寝ていました。そして、こういうことを防止するための念珠はしっかり身に着けていました。
「いなくなれ、いなくなれ」
心の中で何度も叫びました。すると走り回っていた子供達がちょうど私の後ろで立ち止まったんです。
そして腰とふくらはぎを握ってきました。マッサージという感じではなく、握りつぶすような感覚で、かなりの激痛が走りました。声が出そうになりましたが、全く出ません。
「いなくなれ、いなくなれ」
それだけを強く念じていたら、握っていた手が離されました。いなくなった・・・良かった・・・と安堵した時に耳元で囁かれるような声ではっきり聞こえました。
「無駄だからね」
目が覚めると
その後の激痛で気を失ったのか、眠ってしまったのか、気が付いた時には朝でした。
嫌な夢を見たような感覚だけが残り、散々な夜だったとパジャマを脱ごうとした時に腰に痛みが走りました。
私の腰とふくらはぎにはしっかり青いあざが残っていました。
通りすがりの何かだったのでしょうか、それ以降その子供には会っていません。
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子供の「無駄だからね」っていう言葉はゾッとする。
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