35歳 事務員 女性 ロンさん 大阪府箕面市で本当にあった心霊の怖い話
これは20数年前、私が大学生の頃に仲の良い友人から聞いた怖い話。
友人が彼氏とともにドライブをしていた際に降りかかった恐怖体験なのですがいわゆる「地縛霊」と呼ばれる霊の言葉の意味がよくわかる実話です。
箕面山中をドライブ
私の友人(女性)は、普段から霊感が強い人でした。
何気なく道を歩いているときにも、しょっちゅう心霊とすれ違うことがあるとのこと。
生身の人間と違って少し透けていたり、足のほうが消えていたり、やたら生気のない土気色の顔をしているので、すぐにわかるというのです。
気づいてそちらの方をじっと見てしまうと、気づいてくれたことが嬉しいのか寄ってきてつきまとわれてしまうから、なるべく気づかずに素通りすると言っていました。
普段からそれぐらい霊感の強い彼女ですが、ある日、当時お付き合いをしていた彼氏とドライブに行くことになりました。
行先は、大阪府箕面市周辺。
山に囲まれた箕面市。景色の良い場所が多く、絶好のデートスポットがいくつもあります。
自らが生まれ育った場所だったこともあり、彼女に紹介がてら、ドライブをすることになったのです。
あろうことか霊園へ
山の中の木々に囲まれた道を走るのは、気持ちのいいものです。
また箕面は滝も有名ですから、滝を見物に行ったり名物のもみじてんぷらを食べてみたり。
楽しいひと時を過ごしていた2人でしたが運転中、車はなぜか大きな墓地へ。
20数年前ですから、カーナビが当たり前だった時代ではありません。
彼の車にもカーナビはついておらず、行き当たりばったりで運転していたところいつのまにか迷い込んでしまったのです。
霊に追いかけられる
「ここイヤや~。はやく出ようよ」
普段から霊感の強かった彼女はとっさに不穏な空気を感じ取ったのか彼氏に早く墓地から出るように言います。
しかし彼氏のほうもそのあたりの地理を熟知しているわけではなく出口を求めてぐるぐると何周もまわってしまうことに。
墓地から出られたのは、10分後のことでした。
「ようやく出られたぁ」
「出口が見つからなかった時はどうしようかと思ったわ」
と笑いながら話すのもつかの間、彼女がいきなり「早く!もっと急いで!」と彼氏をせかしはじめました。
「なに?どうしたん?」
のんびり聞き返す彼氏ですが、次の彼女の一言で背筋が凍りつきました。
「霊が、追ってきてる!」
もちろん、目には見えません。
しかし彼女は助手席から後ろを振り返りながら恐怖にゆがんだ表情で訴えかけてきます。
「早く!もっとスピードあげて!」
普段から彼女が心霊に出会うという話を聞かされていた彼氏もこれはただごとではない!と察知。
車のスピードを上げ始めます。
「もっともっと!ぜんぜん離れない!」
彼女はせかしますが、くねくねした山道であたりも暗くなり始めておりそれほど速度は出せません。
しかしそんな中でも、追いつかれてはなるまいと必死に運転し続けました。
逃走の果てに
スピードを出して運転しているにも関わらず霊は確実に追ってきていました。
もしここでスピードを落としてしまったら、追いつかれる。
追いつかれてしまったら、何をされるかわかったものではない。
たとえ何もされなくても、そのまま取り憑かれてしまってはシャレにならない。
その恐怖に駆られ、2人は必至になって逃げたそうです。
かれこれ5~6キロほど走ったでしょうか。
前方に「池田市」の看板が見え始めました。
車は箕面市を飛び越え、隣の池田市に入ろうとしていました。
池田市に入ると山も少なくなり、そのまま都会へ出る道に通じています。
車のほとんどいなかった山道とは異なり市街地でこのスピードを出すわけにはいかない。
これはいよいよヤバいぞ…と思いながら運転していた矢先、
「あれ?追ってこなくなった」と彼女。
「え?そうなの?」と彼氏のほうも拍子抜け。
その後霊は追ってこず、2人は無事に帰ることができました。
霊が追ってこなくなった理由
落ち着きを取り戻した車の中で「何だったんだろう?」と言う彼氏に対し
「あ!よく考えてみると…」
何かに気づいたかのような言い方で、彼女は言いました。
「車が箕面市から池田市に入った瞬間、追ってこなくなったんだよね」。
結局2人の間では、霊園墓地付近にいた地縛霊が霊感の強い彼女に惹かれ追っかけてきたけど地縛霊であるがゆえに市をまたいだ瞬間、追跡をやめたのでは?
という結論に達したそうです。
その地に根づくといわれる地縛霊。
土地の境をまたぐことができなかったのかもしれません。
律儀な霊やな、と笑い話になりましたが追いかけられている時の恐怖は尋常じゃなかった、ということでした。
以上が友人から聞いた話。すべて実話であり、いちばんゾッとした怖い話です。
今回のは稀なケースかもしれませんが皆さんも軽い気持ちで墓地に行くのはやめましょう。
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