26歳 保育士 女性 りんごさん 兵庫県篠山市で本当にあった怖い話
これは、私が高校生の時に仲が良かった友人が体験した、驚きの実話である。
高校1年生の頃、私にはいつも一緒に過ごす3人の友人がいた。
その内の1人に、前述の心霊体験を経験した友人も含まれている。
ここでは、この友人をAと呼ぶことにする。
恐怖体験のきっかけ
その年の夏休み、私達4人はお泊り会をすることになった。
田舎の山奥に大きな家を構える友人Bの家に、私と友人Aと、もう1人の友人Cとで遊びに行った。
一緒にご飯を食べて、トランプやウノ等のカードゲームをしたり、
お互いの恋愛の話しをしたり、とても楽しい時間を過ごしていた。
突然の異変
しかし、そうしている内に友人Aの顔色がどんどん悪くなっていった。
「どうしたの?大丈夫?」と心配になり聞いてみると、
「Bに悪くてずっと言えなかったんだけど、実は…この家、なんかいる。」と言い出した。
私達が、「なんか、ってまさか…ゆ、幽霊とか?」と聞くと、Aはコクリと頷いた。
そして、「さっきからずっと肩が重くて…多分乗ってると思う。」と話すではないか。
「こんな怖い話があるか!」と、何も感じていなかった私達3人は、怯えるしかなかった。
人生で一度くらいは、幽霊に会ってみたいものだとぼんやり思ったことはあったが、こんなに身近にその存在を感じたのは初めてであった。
その時まで全く知らなかったのだが、Aは実は霊感があるらしく、幽霊に取り憑かれやすい体質のようであった。
Bは産まれてからずっとその家に住んでいるのに、何も変化はなく、たっ一度来ただけのAは、顔が真っ青になっている。
霊感体質も大変なのだな。幽霊に会ってみたいなんて、思うもんじゃない。
しかし解決策等分かるはずもなく、その後はもう震えながら過ごす他なかった。
Aはずっと辛そうであったが、体調不良の原因が心霊現象とあっては、霊感のない私達はどうにもこうにも何かしてあげることが出来ない。
Aの親も、迎えに来る都合をつけるのが難しかったらしく、仕方なく一夜明けるのを待った。
Bの家を後にすると、Aの顔色は少しずつ良くなっていった。
そのまま何事もなく別れたが、その後もAは、「ずっと肩は重いままだ。」と話していた。
肩の幽霊は、この先もAに取り憑き続けるのだろうか。
生涯幽霊と一緒に過ごすなんて、私がその立場であったら、まっぴらごめんでしかない。
Aのその後
夏休みが明け、久しぶりにAに会ったので肩の様子を聞いてみると、予想外の返事が来た。
というのもなんと、あのお泊り会があった2週間後に、家族で三重県に旅行に出掛けて、伊勢神宮にお参りに行った時に、スッと肩が軽くなったそうだ。
Aは、「私はいつも、神社の鳥居をくぐると、そこで祀られている神様の姿が頭に浮かぶの。その神様が、女性か男性かも分かるんだ。その時に、伊勢神宮の神様に挨拶したからかな、私に取り憑いた幽霊を見て、追い払ってくれたみたい。」と話していた。
ひとまずAの様子を見て安心出来たのと同時に、そんな驚くべき実話が、こんなに近くで存在することが信じられなかった。
幽霊も神様も実際にこの世にいて、見える人には見えるらしい。
実に不思議な気持ちになった。