31歳 フリーター 男性 akeさん 北海道札幌市南区で本当にあった心霊の怖い話
私は心霊とか、怖い話にはまるで興味がありませんでした。もちろん霊感なんてものは存在しないものだと思っていました。そんな私がたまたま当たってしまった事故物件の話しです。
学生時代に住んだアパートが事故物件だった
私が学生時代に住んだアパートでは不可解なことが次から次へと起こっていったのです……。これは私が18歳の時に体験した実話です。
私は札幌の大学に進学して、新たに生活を始めるためにアパートを借りました。何の変哲もない、普通のアパートです。昭和の終わりに建てられたそうで、外装も内装も少し古い印象を受けたのでした。
入居前から異変はあった
入居前の見学には力を入れなければなりません。大学から近いか、駅から近いか。防音環境はどうか。いくつか業者さんにアパートを紹介されました。
そのうちの一つ、目に留まったのがそのアパートです。私は駅からも学校からも近く、想像していたよりも家賃の低いそのアパートに迷わずに決めました。
今思えばあり得ない話ですが、見学の際、ベランダへ続く大きな窓ガラス。そして、小窓のガラスに不自然なヒビが入っていました。
石なんかがぶつかって出来たのなら、ぶつかった部分に丸くヒビが入って、そこから放射状にヒビが入るはずです。ですが、そのヒビは全く違うものでした。
そのヒビは、窓ガラスの対角線上に深く大きくついていました。まったく、何で出来た傷かはわかりません。それでも初めての一人暮らし。よく考えずに、そのアパートに暮らすことにしました。
でもこれは、怖い話の始まりにすぎませんでした。
入居後の怪
入居するころには、窓ガラスはアパートの管理会社に治してもらっています。当然です。私は一人暮らしに心を躍らせていて、外へ出て街を散歩しようと思いました。
すると気づいたのです。
——玄関の覗き窓が、青いテープでぐるぐる巻きにされている。
思わず息を飲みました。なぜこんな細工がされているのでしょう。不可解でなりません。管理会社は、治そうと思えば治せたはずです。不気味でなりませんでした。
まさか見てはいけないから閉めているなんてことはないでしょう。
気にしないでおこうと、自己暗示をかけて外へ出ました。
その部屋は四階です。毎日の上り下りは多少面倒だと思いましたが、「四階には他に住人がいないので、少しくらい物音を立てても大丈夫ですよ」と言われていました。
なので、近所付き合いなんて考える必要はなく気楽な思いでした。
散歩から帰ってくると、四階の階段の手すりに見たこともない「鍵」が置いてありました。少なくとも、私のものではありませんでした。誰もいないはずなのに……。
一瞬、「この鍵で自分の部屋が開いたら……」と思いました。ですが私は、心霊は信じません。誰かがいたずらで置いていったのかもしれません。そう思って、触れずに部屋に帰りました。
次の日になると、鍵はなくなっていました。
深まる不可解な現象
それからは何も起こらず平和な日が続きます。しかしまた理解に苦しむことが起きたのです。それは友人二人を部屋に招いた時のことです。
三人で話していると、突然話が途切れました。私はおじいさんが大きく笑う声が聞こえました。冬なので窓は閉まっています。私は「うるさいじいさんだなあ」と友人に言いました。すると、二人は首をかしげています。
一人の友人は、「ピアノの音が聞こえたぞ」と言い、また一人の友人は「女の子の鳴き声が聞こえた」と言います。しばらく三人は顔を引きつらせました。
そして別の日、何度か泊まりに来ていた友人は床に寝そべっていました。彼は神主の息子です。
外を歩いていると、「今、林の中に何か通りませんでした?」と時々不思議なことをいう人物です。彼には霊感があったのだと、今になると思います。
彼は部屋の天井を見つめていました。そして、「あの、今まで言ってなかったんだけど……」と口火を切りました。
「天井、細長い紙みたいのが大量に張られてるよね」
ゾッとしました。よくよく見てみると、細長い紙が、べっとりとした白く塗装するもので貼りつけられていたのです。
まるでそれは何かを封じているようでした。友人は「心霊でもいるのかもね」と言って、寝てしまいました。あれほど心細い夜はありませんでした。
謎は謎のまま……
それからすぐに私は引っ越しをしました。確かに不気味でした。決定的な何かが起きたというわけではないのですが、何かがこれから起こるのでは?という気持ちになったのは確かです。
霊感のある友人は、「古いアパートなんて、誰が入居して誰が死んでいるかわからん。それを覚悟しないと、一人暮らしは出来ないよ」と助言してくれました。
例えそうだとしても、やっぱりアパート暮らしは怖いものがあります。
あのまま住み続けていたら、どうなっていたのでしょう?
あの札をはいでいたらと思うと、怖くて仕方がありません。
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