32歳 営業 よしさんの心霊体験
この話は10年ほど前に私が体験したことです。
ただの勘違いだったのかもしれないけれど、今思い返しても勘違いでは済まされない何か確かにあったのだと思います。
免許取り立ての楽しいドライブで
当時、車の免許を取ったばかりの私は数人の仲間と自分の家の車を持ち出しては夜な夜なドライブをしていました。
ある日、私たちの街から車で30分ほどあるゲームセンターに遊びに行きました。
そこはかなり施設の充実した所でしたが最寄り駅からも遠く県境ということもあり周辺もかなり寂れた場所でした。
なので車の免許を取ると仲間内でよく出かけたものでしたが、その日は週末で込み合っていたため早めに引き上げることになりました。
その日出かけたのは私とリョウ、タカ、ショウゴ、それと女の子のサヤカの5人でした。
廃病院で肝試しすることに
帰りしなにリョウが近くに廃病院があり、そこは地元では有名な心霊スポットだから行ってみないかと言い出しました。
そのことについて話しているうちに段々と盛り上がってきて結局出かけてみることになりました。
かなり盛り上がっていたので途中ショウゴがトイレに行きたいと言いコンビニに寄った時もはやる気持ちを抑えかねるように、早くしろと急き立てては皆で笑っていました。
現地に着き車を降りて建物を目の前にしてみると不思議と息が詰まるような妙な存在感がありました。
実際にはそこは病院というよりはある程度の医療施設が整った老人ホームのようなものだったのではないかと思います。
その頃には皆、自然と口数も少なくなっていましたが、中に入ってみることにしました。
懐中電灯などは持っていませんでしたが月明りのおかげでそれほど困ることなく移動することはできました。
3階の薄暗い部屋で恐怖の出来事が
10分ほど建物内を散策しそろそろ引き上げようかというとき、3階の奥まったところに扉が見えました。
それまで部屋の中までは見ていなかったので、その扉の中に入ってから帰ろうということになりました。
私が先頭になり実際に扉を開けて中に入ってみると、そこは1m先すらも見ることのできない…暗闇でした。
それも取って触れられるかのような確かな存在感を持った圧倒的な暗闇です。
かなりの月明りがあったので完全な暗闇というのはどう考えてもおかしいのです。私は気づかぬうちに自分のシャツの裾を握りしめ震えだす体を抑えつけていました。
引き返そう、と口に出そうとしましたが全く声は出てきません。
5人とも呆然としていると突然見えない奥の方でガタンと何かが落ちたような大きな音がしました。その音を機に誰かが大声を上げて走り出しました。
私も置いて行かれる恐怖感もありすぐ横にいたサヤカの手を取り、外に置いてある車を目指して走り出しました。
車まで来ると5人確かに乗ったことを確認して車を出して、とリョウに言いました。
その後の車内ではみな一様に一言も口をききませんでした。
コンビニで見たものは・・・
行きがけに寄ったコンビニが見えてくるころにようやく落ち着きを取り戻し、一旦そのコンビニで休憩することにしました。店内から漏れ出る暖かな光に少なからず安堵感を覚えていた私は次の瞬間、思わず息を吞みました。
その光に照らされて店の目の前に立っていたのは…ショウゴでした。
あれから何年も経った今でも不思議でなりません。
ショウゴはコンビニのトイレから出てきたら誰もいなくなっていた、置いていかれたと言っていました。
つまりショウゴは廃病院には行っていないというのです。確かに病院内でショウゴと話したという記憶はありません。
しかし5人という決して多くはない人数を考えると一人いなければ気づくと思うのです。それに逃げ帰る時にも私は確かに5人数えました。
確かに誰かいた
ただの勘違いだったのかもしれないけれど、それだけでは済まされない何かがそこには確かにあったのだと思います。
それと最近になってサヤカと話したことなのですが、サヤカはあまりにも怖くてあの部屋の中には入れなかったとのことでした。
ましてや部屋から逃げる際に誰かに手を握られた、ということはないとのことでした。
以上が私の体験した心霊体験です。
つまり、5人は揃っていなかったのに、揃っている前提で肝試しをしていたということですね。目に見えない何かが一緒にいた!ということ。恐怖・・・。
私、龍も学生時代に神奈川県厚木市のある廃病院にホラー系の自主制作映画の撮影に出かけたことがあります。そこでは心霊写真がよく撮れると噂がある場所でした。そこでカメラが回らない、壊れるなどの経験をしたことがあります。
やはり、廃病院で肝試しをすべきではありませんね。
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