八王子城址は東京都内有数の心霊スポットと呼ばれています。実際に幽霊を見たなど怖い話が後を絶たず、数多い心霊体験が報告されています。
今回は戦国時代の合戦の跡地であり、城主の一族の婦女子が自害した悲惨な歴史が語り継がれる八王子城址をご紹介します。
山がまるごと要塞!八王子城址の特徴
八王子城址の特徴はなんといってもその立地です。八王子城は北条氏康の三男にあたる氏照が1571年に築城したもので、城山をまるごと使った要塞です。
山麓の御主殿跡には今も石段が残り、当時の痕跡を留めています。登山口には物々しい雰囲気の石の鳥居がたたずみ、ここが新道と旧道の岐路になります。鳥居の奥には高い杉の木立が続いており、ひんやりした雰囲気が漂っていました。
他にも落城時に御主殿の婦女子が自刃して身を投げた御主殿の滝や北条氏照ならびに家臣の墓が存在し、戦乱の歴史を後世に伝えています。御主殿の滝には北条一族の婦女子の霊を慰める供養塔があり、お供え物が捧げられています。
兵どもが夢の跡……八王子城址の歴史
八王子城は北条氏康の三男、北条氏照が元亀2年(1571)に築いた城です。
当時の八王子は刀鍛冶などが暮らす城下町として栄えており、それ故秀吉に危険視されていました。
そして遂に天正18年(1590)、上杉景勝・前田利家・真田昌幸含む1万5千人の混成軍を率いた豊臣秀吉が小田原征伐の一環として攻め込んできます。
八王子城主の北条氏照は小田原城の防衛に尽力したものの力及ばず敗北、秀吉に自害を命じられます。
一方八王子城内には城代の横地監物吉信をはじめとする少数の家臣のほか、領内から徴兵された農民やその家族3000人ほどが立てこもりました。
氏照の敗北後、城に残された婦女子は捕虜の辱めを受けるのを是とせず自刃し、御主殿の滝に飛び込みます。
この際に屍から流れた血が三日三晩川を染めたというから壮絶ですね。地元では「戦のあとに川で研いだ米がお赤飯になった」とまことしやかに伝えられています。
八王子城址には落ち武者の幽霊がでる?心霊体験の実話を紹介
城山は北条氏照の臣下や彼の一族に連なる婦女子、そして八王子城に逃げ込んだ婦女子が非業の死を遂げた場所です。故に八王子城址では実話として語られる心霊体験や、幽霊の祟りによる怖い話が数多く報告されています。
中でも有名なのが夜に肝試しに行った際落ち武者の足音を聞いた、実際に遭遇したというもの。
川でキャンプ中に無数の足音に囲まれた、山頂近くで異様な気配を感じて振り返ったら草葉の陰から落ち武者がうかがっていたなどが地元で囁かれています。
さらに御主殿の滝周辺では自刃した女子供の啜り泣きが聞こえる、当時の再現のように滝壺や川が赤く染まるともいわれています。滝に現れる幽霊は殆どが女子供で、奥女中の着物を纏った人もいるそうです。北条氏照の妻女か妾でしょうか。
何もない芝生で転んだと思って見下ろせば、地面に無数の顔があったとも報告が上がっています。