31歳 会社員 男性の恐怖体験
照明器具メーカーに勤めて居ます。会社員です。
いろんな工事現場に照明器具を納品し、取り付けの点検とかをやっています。照明器具の取り付けや交換は、そのビルが昼間に営業している場合とか、深夜に来てやる場合が多いです。
富山県のあるビルで・・
今から1年前、富山県のとあるビルの事務所の照明器具の取り換えの工事でした。
その工事は、そのオフィスが休みの間、つまり、金曜日の夜から日曜日の夜までの間に仕上げるという作業で、私がその現場に到着したのは土曜日の夕方6時でした。
そのビルに最初入ると、何か寒々しい雰囲気のビルでした。元々、少し、霊感があるのか、古い神社やお寺、また恐怖スポットというところには怖くて近寄るのが嫌だったのですけど、今回もそれと同じ感じがしたので、早く終わらせて早く帰ろうと思って居ました。
作業は、部屋の電灯を半分消して、その部分の照明を取り替え、それが済むと後の半分を取り替えます、それで、照明器具の点灯テストと、取り換えをして終わり。
その日は夜の11時には作業が終わったのですが、他の部屋の照明器具の点検もしてほしいという事だったんで、すこし時間がかかって12時過ぎになりました。
砂利を踏むような足音
呼ばれるまで、給湯室みたいなところで待っていると、廊下を砂利を踏むような足音が聞こえています。
あ、工場の周りをだれかが歩いて居るんだなーという感じで聞いて居ました。
その足音は、「ざっ、ざっ、ざっ」という感じで、何か軍隊の行進のような重苦しい足音でした。窓の外を誰が歩いているのかっと思ってカーテンをすこし上げて、窓の外を見てみると、誰も歩いて居ません、それに今気がついたのですけど、そのビルの周囲はアスファルトの道ですので、玉砂利を踏む音なんて聞こえるはずは無いのです。
カーテンをあけた瞬間に玉砂利を踏む音は無くなって、周囲は、普通の車の通る音だけになって居ました。私は何か冷たいモノを感じて、作業を終わらせたら早く帰ろうと思いました。
実は前にもあった?
それからしばらくして、現場監督の人が来て、点検をして帰る事になりました。そこで、現場監督の人に
「ここ、心霊とか出ます?」
って聞くと、その監督は
「何か、見たの?」って聞いて来ました。
「見たというか、何か玉砂利を踏むような、行進のような足音が、で、ここ周囲ってアスファルトですから、そんな音が聞こえるはずがありませんよね」
それなあ、また、終わってからおしえたげるけど、あんまり言うたら駄目だかんね」
戦争の痕跡が
との事、それで、全部の作業が終わってから、監督と朝ゴハンを食べながら聞いた話ですけど、そのビルとその周辺は昔、製薬会社の工場でして、戦時中、火薬とかを作って居たらしいです。そして、その工場からも、出兵する人が出たんで、その日は工場で出陣式をしていたのでした。
と、そこにアメリカの爆撃機が爆弾を落として、その瞬間に工場の火薬に引火、そして工場の職員さん1000人程が焼け死んだという事です。
戦後、そこは工業団地になり、今はオフィスビルになっていますが、今でも、夜中に、燃え盛る炎をみたりとか、行進する人の影を見たりとかいう人が居るらしいです。
オフィス街のすぐ端に小さな石みたいなのが立ててあり、監督と一緒にいって見ました。
「まあこれも機会やしな、それとげん落としっということもあるしの」
という事で、ペットボトルのお茶と、花を買って、そこに供えて来ました。
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戦争の跡なら仕方ない…と納得できるが、知らないでその現場に遭遇したら怖いと思った。