楽しいお花見のはずが!滋賀県青土ダムで起こった怖い話

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26歳 事務員 女性 りりさん 滋賀県甲賀市土山町青土ダムで本当にあった怖い話

これは私がお花見に行く道中に体験した実話の怖い話です。

当時専門学校に通っていた私と友人達は、もうすぐ就活なんだから今年はパーッと騒ごう!という浮かれた理由でお花見に行くことにしたんです。

いざお花見会場へ

お花見会場は滋賀県内でも有数の人気のスポットでしたが、電車も通っていないような場所にあり、ジャンケンで負けた私が車を出すことになりました。

お酒を呑めないことにがっかりしていましたが、お花見会場が近付くにつれ、緑豊かになって行く景色に気分が高揚していくのを感じていました。

けれど青土ダムにさしかかったあたりでカーテレビから聞こえていた声が、ざらざらと奇妙な音になり始めたのです。

画面も不規則に乱れ、ついには映らなくなってしまいました。

山場のシーンでテレビが観れなくなってしまい、不機嫌そうな友人達を「田舎だから電波が悪いんだよ」と宥めながら、その時は通常のオーディオに切り替えて事なきを得ました。

折角の楽しい気持ちに水を差されたようで、気分が悪くなったのをよく覚えています。

楽しいお花見だったはずが

駐車場が空くまで一時間以上待たされたものの、お花見はとても楽しいものになりました。

日が暮れるまで楽しんだ私達は美しい桜を惜しみながら帰路に着きました。

友人達の「来年も来よう」という気の早い話に頷いていると、突然ぷつんっと流れていた音楽が消えました。

消えて、ついてを何度も繰り返し、ノイズ混じりの不快な音が車内に広がっていきます。

楽しいお花見で道中にあったことをすっかり忘れていた私達は、またも起こった不調に大ブーイング。

お酒が入って気が大きくなっていた助手席の友人が何度もボタンを押しているのを、私も笑いながら「壊さないでよ」と声をかけていました。

車の調子が悪いわけでもないのに、なんだかおかしいな?

友人もそう思ったのでしょう。

「ねぇ、テレビじゃないんだから電波関係ないんじゃ……」

真っ暗なダム

後部座席の友人がぽつりと呟いた言葉に車内はしんと静まり返りました。

いつの間にか、車は行きと同じくダムの前を走っていました。

街頭の少ない道をヘッドライトの明かりだけを頼りに進む中、オーディオからは途切れ途切れの女性歌手の声が流れてきます。

不思議なことに誰もオーディオを切ろうとはしませんでした。

あんなに騒いでいたのに、じっと席に座ったまま黙り込んでしまった友人たち。

私も含めて、ここで声を出してしまえば、何かが起こりそうに思えて怖かったのです。

昼間は緑豊かで長閑に見えたはずの場所が、夜になった途端黒々とした水面と薄らと浮かび上がる桜の花しか見えなくなっていました。

桜の木の下に、水を滴らせた幽霊が立っている。

そんな想像をしてしまい、ゾッと背筋が凍りました。

前だけを見て車を走らせ続け、ようやく音が戻ってきた途端、情けない話ですが泣いてしまいそうでした。

実は心霊スポットだった

後からあの辺りに住む先輩に話を聞いたところ、地元では有名な心霊スポットだと教えられました。

「怖い話だから言わないでおこうと思ったんだけどね。
どうしてか、あのダムの前を通るとテレビやオーディオが不調になることがあるの。
だから私は、あそこを通る時は出来るだけ何も鳴らさないようにしてる」

そして実は自殺者も出ている、いわく付きの場所なのだとか。

もしあの時、車の不調だと思って停めていたら私達はどうなっていたんでしょうか。

この手の話、嘘だーと思う方も多いかもしれませんが、私が通っていた仏教大学の落研の合宿で同じことが起きたんですよね。車ではなく河口湖近くの民宿でしたが・・・
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