裏高尾の心霊体験!旧甲州街道で私たちが見た影の正体とは?

東京の喧騒から離れて、自然に触れ合うことができる高尾山。

しかし、その裏側に位置する「裏高尾」には、ひっそりとした静寂が漂い、夜になるとまるで異世界に迷い込んだかのような不気味な空気が流れます。そんな裏高尾で、友人たちと肝試しをしようという話が持ち上がったのは、夏の蒸し暑い夜のことでした。

私たちが向かったのは、裏高尾にある旧甲州街道の一部、日影沢の近くでした。この場所は八王子城跡にも近く、地元では心霊スポットとしても知られています。夜の旧甲州街道は、昼間とは全く異なる表情を見せ、暗闇に包まれた森の中では、古い時代の気配すら感じられるほどです。

不気味な気配と異変

その夜、私たちは車で日影バス停近くに到着し、辺りはすでに真っ暗でした。持参した懐中電灯を頼りに、私たちは旧甲州街道を歩き始めましたが、早々に背筋が寒くなるような感覚が襲ってきました。

誰も話すことなく、ただ静かに歩を進めていると、道沿いに古びた地蔵が並んでいるのが見えてきました。昼間なら気にも留めない光景ですが、夜の闇に浮かび上がるそれらは異様な存在感を放っていました。

突然、背後から何かが近づいてくるような音がしました。「カサッ…カサッ…」と枯れ葉を踏むような音です。振り返っても誰もいない。それでも確かに音は聞こえ続けており、全員がその場に立ち尽くしました。何かがいる・・・そんな確信が心の中に広がっていきました。

影の存在

その音に背を押されるようにして、私たちは再び歩き始めました。

しかし、道の先にあるカーブを曲がった瞬間、全員が足を止めました。そこには、暗闇の中にぼんやりと浮かび上がる人影があったのです。まるでこちらをじっと見つめているかのような、その影は微動だにせず、立ち尽くしていました。

「誰かいる・・・?」誰かが囁きましたが、懐中電灯を向けてもその影は消えません。

いや、むしろライトの光に照らされた瞬間、その影が少しずつ形をはっきりと現していくようでした。それは、古い和服を着た女性の姿でした。顔ははっきりと見えませんが、髪の長いその女性は、確実に私たちを見つめているのです。

全員が息を呑み、言葉を失いました。その場を動くこともできず、ただ立ち尽くしていると、影の女性が一歩、また一歩とこちらに近づいてくるのが見えました。

逃げ場のない恐怖

恐怖に駆られた私たちは一斉にその場を離れようとしましたが、足がすくんで動けません。全身が硬直し、背中に冷たい汗が流れるのを感じました。友人の一人が「戻ろう」と震え声で言ったのをきっかけに、私たちはようやくその場から逃げ出しました。

しかし、走り出した瞬間、背後から「カサッ…カサッ…」という音が再び聞こえてきました。先ほどの女性が追いかけてくるのではないかという恐怖に駆られ、私たちはパニック状態で走り続けました。しかし、道は暗く、狭い旧甲州街道は逃げ場のない迷路のように感じられます。

鳥居の向こう側

少し進んだ先に、小さな古びた鳥居が見えてきました。こんな場所に鳥居があるなんて・・・と驚きながらも、私たちはそこを通り抜けることしか頭にありませんでした。

しかし、鳥居をくぐる瞬間、背後からはっきりと女性の「声」が聞こえたのです。それは低く、かすれた声で、「帰らないで…」と言っているように感じました。

鳥居の向こうには、小さな祠があり、その前で私たちは立ち止まりました。

木々の間から冷たい風が吹き始め、まるで何かが私たちを拒んでいるかのようでした。その瞬間、鳥居を振り返ると、あの女性の姿がこちらをじっと見つめているのが見えたのです。顔は真っ白で、目だけが真っ黒に見開かれていました。

帰り道でのさらなる恐怖

その視線に耐えきれず、私たちは再び逃げ出しました。帰り道の途中で、再び背後から「カサッ…カサッ…」という足音が近づいてきました。今度は全員が確かに聞こえたと確信していました。恐怖がピークに達し、私たちは一斉に走り出し、必死に元の場所へ戻ろうとしました。

車が見えた瞬間、全員がほっとしたのも束の間、最後に車に乗り込もうとした友人が、背後を振り返った瞬間に叫び声を上げました。「そこにいる!」と。その言葉に全員が車から振り返ると、先ほどの女性が車の後ろに立っていたのです。

顔はさらに青白く、目は虚ろにこちらを見つめていました。私たちは全員、声も出せず、ただ必死に車のドアを閉めてエンジンをかけ、その場を逃げ出しました。車が走り出すと、ようやくあの女性の姿は見えなくなりましたが、その恐怖は今でも忘れられません。

体験後の後悔と教訓

裏高尾での肝試しは、私たち全員にとって一生忘れられない恐怖体験となりました。あの女性の霊は、一体何を求めていたのか、そしてなぜ私たちに現れたのか、今でも答えはわかりません。

この経験を通じて、私たちは夜の裏高尾のような場所に軽い気持ちで足を踏み入れることの危険さを痛感しました。あの夜、私たちが体験した恐怖は現実のものであり、心霊スポットとしての裏高尾には、確かに何かが存在しているのです。

これから裏高尾を訪れる方々には、決して夜の肝試しを軽視せず、特に古い街道や人里離れた場所には慎重に足を運んでいただきたいと思います。裏高尾には、美しい自然が広がっていますが、その裏には何か得体の知れない力が潜んでいるのかもしれません。

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