57歳 パート主婦 女性 てるみんさん 埼玉県草加市で本当にあった心霊の怖い話
これは、私が小学校2年生の時の心霊体験です。
今となっては誰も信じてくれませんが実話で、周囲の風景や音をまだはっきりと覚えています。
子供の頃で、まだ心霊という言葉も知らなかったので、今となっては何て幸せだったのだろうと思います。
生まれ育った団地で
私が生れ育ったのは、埼玉県の草加市にある団地でした。
周囲に同じ団地が建ち並び、家族で住んでいる人が多いことから、子供が大勢いました。
学校帰りには大勢の子供達が賑やかに外で遊んでいたのです。
子供は好奇心旺盛でいたずらで、どこにでも入り込みたがります。
私たちの間で当時流行っていたのは、1階で空き室となっている団地のベランダに入りこんだり、窓から中を覗くことでした。
特に北側の和室にある窓は、南側のベランダよりも高くなっていて、雨どい等をつたわってよじ登ることが楽しくて仕方ありませんでした。
空き家のはずなのにおじいさんの姿が・・
その日もいつもの様に学校帰りに5¥人〜6人の友達と、代わりばんこに空き室の北側の窓をよじ登り、部屋の中を覗きこんでいました。
すると最初に中を覗いた子が「中に人がいる!」と言うのです。
私達は「えーっ」と言いながら、勇気を持って一人ずつ壁をよじ登りました。
私の番になり、中をのぞいたところ、カーテンのない部屋の中にこたつがあり、そこにおじいさんが座ってじっとこちらを見ていたのです。
心霊に違いない・・
そのおじいさんは白髪で、全く色味がなく、まるで白黒写真の様でした。
まばたきをせず、動くこともなく、ただ座って大きな目でじっとこちらを見ていたのが忘れられません。
全員が確認し終わると、私達は目を合わせ、次の瞬間「オバケーッ!」と言っていちもくさんに逃げました。
真っ直ぐ家に戻りましたが、とても母にその話はできませんでした。
そしてその日の夕方は塾があり、授業が終わって夜7時半頃、その団地の前を通りました。
すると、通り際にその空き家のある階段の入り口に、昼間のおじいさんが座っているのがちらりと見えたのです。
あまりの怖さに私はその場から走りましたが、後ろから「あ〜」か「う〜」という声が聞こえたのです。
もう泣きながら家に帰り、姉に話すと「バカだなぁ、幽霊がついて来ちゃったらどうするよ」と言われてしまい、改めて恐怖を感じました。
その夜は、窓をしっかり締めて、姉の手を握りながら眠りましたが、幸い何も起きませんでした。
皆で忘れようと誓ったこと
翌日、学校ではその時のメンバーで集り、「もう二度と行かない様にしよう」と誓い合いました
私は怖い話はもうゴメンだと思ったので、夕べの話はとてもできませんでした。
他の子供は親に「あの家ではおじいさんが孤独死している」と聞いたそうです。
いつまでも気づかれずに、白骨化した状態で見つかり、ニュースになったとも聞いています。
とにかくいる人がいるはずのない部屋で、白黒のおじいさんを見たことは確かです。
そして同じおじいさんを夜見たことも確かです。
今ではその団地は全て取り壊されて、建て替えられています。
あの時の友達は、今まだあの怖い話を覚えているのでしょうか。
夢ではなく、実話だと証明する為にも、是非一度この思い出話をしてみたいと思います。