自分はビビりのため心霊系が苦手で、そういった類とは無縁に過ごしてきました。
一方で、そうした体験談などはおよそ信用ならないものだと考え、どれもこれもくだらない創作話だろうとも考えていました。
実際、ここ何年か個人的都合で某掲示板やそういったサイトからの引用記事などを見ているのですが、その大半があまりに荒唐無稽で「作り物感」が凄まじいと感じています。
もっと言えば文章や言葉遣いがあまりに稚拙なため
「まず日本語と文章の書き方を勉強してから書けよ…」
と呆れることすらあるくらいです。
ですが自分自身、あれは本当になんだったのか、今でも説明が出来ない不可思議な体験をしたことがありました。
ずっと一人、心の中にしまっておいたのですが、思う所あり今回こちらにその一部始終を投稿させて頂こうと決めた次第です。
かつての自分と同じく、これから書き出す内容を「創作だろ」と吐き捨てる方が圧倒的多数かもしれませんが、誓って真実であると先にお伝えしておきます。
場所は今住んでいるマンション、それも自室です。
自分がそろそろ寝ようと布団に入って少しした後でした。
不意に喉のあたりに冷たい感触を覚えたんです。
具体的に言うと、顔の左側から鉄パイプの様な細長い金属的なものが、喉の上にパタン、と倒れて乗っかって来たような感触でした。
自分は半分眠りかけていたため、目をつぶったまま右手をゴソゴソと動かし喉の上にある物体をのけようとしました。
しかしいくら手で探っても「それ」を掴むことが出来ず「…?」となりました。
そして突然意識が覚醒したんです。なぜならこれが異常なことだと気付いたから。
自分の部屋にはパイプ状の金属など存在していなかったんです。
だからそんなものが自分に倒れ込んでくるなんてありえませんでした。
それに気づいた自分はハッとして上体を起こし、周囲を確認してみました。
当然鉄パイプなどありませんでしたし、念のため明かりをつけて探しても結果は同じでした。
あの時の冷たい、ひんやりとした感触はまさに金属のソレでしたが、そもそも布団側に何かが倒れたという痕跡一つ確認することが出来なかったのです。
自分はひどく混乱しましたが、とりあえず何事も無いなら、と再び眠ることにしました。
それから半月も経っていなかったと思いますが、また不思議な体験をしました。
それも今度は強烈な恐怖体験でした。
同じく夜の自室にて、寝ている自分の体(足元)に何かが乗っかってきたんです。
最初、自分はペットの猫がやって来たのだと考えました。
が、すぐに考えを改めました。
なぜなら可愛がっていたペットはこの数か月前に亡くなっていたからです。
重みというか、体重の掛け方が完全に生物そのものだったので、一瞬だけ勘違いしてしまったのです。
では、ペットではないこいつは一体何なのか?
少なくとも「物」ではない、「生き物」であるということは明らかでした。
だからこそ正体がまるで予測出来ず、背筋がぞくりとしました。
すると「それ」は足から胴体へと徐々に這い上がってきて、遂には胸のあたりにまで上ってきたんです。
間違いなく体の上には「何か」がいました。
言い表すことの出来ない恐怖に襲われた自分は思わず「助けて」と叫んでしまいました。
この時初めて知ったのですが、人間本当に恐怖すると声が出なくなるんですね…
最初の「たす」は正確に発音出来たのですが、後半の「けて」の部分が言葉として出て来ず、
空気を絞り出すような音が喉奥から聞こえてくるだけでした。
まるで首を、いや喉や気道を直に絞められたかの様な感覚でした。
ですがこの直後、胸に感じていた重さは一瞬で消え去り「何か」の気配も無くなりました。
そして奇妙にきつく閉まっていた喉も、一気に開いて大量の空気が吸える様になりました。
これにより息苦しさを感じ続けていた自分はぶはっと息を吐き出し、咳込みこそしなかったもののしばらく荒い呼吸を繰り返しました。
そして呼吸が整った後、目を開けて周囲を確認しようかどうか真剣に悩みました。
気になると言えば気になる状況でしたが、とにかく怖かったんです。
視界に何か入ってしまったらどうしよう、と考えると恐ろしくて瞼を開くことなど出来ませんでした。
結局そのまま朝が来るのを待ち続け、半ば意地で目をつぶり続けました。
瞼越しに光を感じた時には、心から「助かった…」と思ったことを未だに覚えています。
自分が体験した初めての心霊?現象はこれにて終わりです。
何かしらこの身に実害があったという訳でも無いのですが、このような声が出なくなるほどの恐怖を味わったのは人生初の事でした。
で、なぜ自分がこの度こうした出来事を投稿するに至ったかですが、つい最近再び自室で奇妙な体験をしてしまったからです。
実はこの後も何回か奇妙な体験・恐怖体験をしたのですが、いつしかそれらはすっかり落ち着いてくれたのです。
なので自分は仕事の疲れがたたっただけだろうと思い、深く考えずにいました。
当時は今と違って下請け工場勤めで休日出勤もザラだったので…
しかし、今頃になってまたゾッとする体験をしてしまったため、どうにも気になってこの事実を誰かしらに伝えるべきかと判断した、
というのがこちらを訪問した理由になります。
これ以外の恐怖体験も書こうと思えば書けますが、少々長くなりすぎるかと思うのでひとまずこれだけにしておきます。
繰り返しになりますが、これは暇つぶしに考えた作り話などではなく、人生で初めて経験した実際の恐怖体験です。