新宿戸山公園の箱根山通り!深夜に埋まる顔

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私は、都内で映像編集の仕事をしている三十代の男です。フリーランスという立場の気楽さもあり、空いた時間には心霊スポットを巡って動画にまとめたり、体験談を記事にしたりしています。とはいえ、いわゆる“見える”体質ではなく、これまで霊そのものを目撃したことは一度もありません。ただ、人が避けるような場所には、説明のつかない異様な雰囲気があることが多く、それを確かめるのが私なりの好奇心でもありました。

これまで全国のスポットを訪れてきましたが、その中で最も「本物だ」と感じたのが、新宿区の「箱根山通り」でした。都心のど真ん中——新大久保や早稲田からも徒歩圏という場所で、まさかあのような体験をするとは思ってもいませんでした。

すべては、あるネット記事から始まりました。

戸山の地下に眠る“何か”

その夜、私はYouTube用の怖い話動画を編集していたのですが、ふと「東京 心霊スポット 実話」といったワードで検索をかけたところ、「箱根山通り」という耳慣れない地名にたどり着きました。

「新宿の箱根山通りには、戦争の亡霊が今も歩いている」——そう記されたブログには、こんな内容がありました。

「この通りの地下には、かつて旧陸軍の軍医学校が存在していた。戦争末期には、731部隊と連携した非人道的な実験が行われていたという。敗戦とともにその痕跡は隠され、現在は戸山団地として再開発されているが、かつての施設跡地では、今でも呻き声や不可解な現象が報告されている」

最初は都市伝説かと思いましたが、いくつかの掲示板や体験談ブログでも、同様の証言が見つかりました。「夜道を歩いていると誰かに肩を叩かれた」「足元から手が出てきたように見えた」といった話が、複数人から語られていたのです。

私は興味と取材を兼ねて、その場所を訪れてみることにしました。

静寂と“喉の詰まり”

箱根山通りは、戸山公園と戸山団地の間を縫うように走る、住宅街の一角にある静かな通りでした。昼間は散歩をする人も多く、特に異様な雰囲気は感じませんでした。

私は日中にカメラを回しながらゆっくり通りを歩き、いくつかのポイントを記録してその日は帰宅しました。

問題は、その日の深夜に起きました。

午後11時過ぎ。今度は深夜の雰囲気を撮影するため、再び箱根山通りを訪れたのです。人通りはほとんどなく、静けさに包まれていました。道路を照らす街灯の下には私しかいないはずなのに、背後で誰かが歩いているような気配を感じて、何度も振り返ってしまいました。

そんなとき、急に喉の奥が詰まるような感覚に襲われたのです。息はできるのに、空気が肺に入っていかない。まるで誰かに首を絞められているような錯覚に陥りました。

思わず立ち止まると、背後から“ふっ”と冷たい息がかかったのです。

驚いて振り返りましたが、そこには誰もいませんでした。

……でも、確かに“何か”が、そこにいたのです。

泥に埋もれた顔

その後、少し落ち着いた私は再び歩き出しましたが、今度は足元に奇妙な感触がありました。舗装された道のはずなのに、一部だけ黒く湿ってぬかるんでいたのです。

「雨でも降ったのか?」と足元にライトを当てた瞬間、私は凍りつきました。

泥の中に、人の顔が埋まっていたのです。目と口だけが見えていて、じっとこちらを見つめていました。目は濁っており、口はわずかに開いていました。そして、その口がかすかに動いていたのです。

「……みつけた……」

その声は、耳ではなく、頭の中に直接響いてくるような感覚でした。

私はその場から動けなくなり、足が地面に貼りついてしまったようでした。ようやく力を振り絞ってその場を離れたとき、背中は冷たい汗で濡れていました。

記録にない声

帰宅後も、恐怖は終わりませんでした。

ICレコーダーを確認してみると、明らかに私が黙っていた時間帯に、謎の囁き声が記録されていました。

「……ここに……埋めたのに……」

「……また……くる……」

その声は複数あり、男性も女性も混ざっているように聞こえました。誰かが悲鳴のように叫ぶ直前の“息遣い”までが、はっきりと録音されていたのです。

あの泥に埋もれた顔の主たちが、私に何かを伝えようとしているのではないか——そう思えてなりませんでした。

その夜から、悪夢を見るようになりました。地下室のような薄暗い空間で、私はベッドに縛られており、周囲には白衣を着た人々が取り囲んでいる。彼らは何かの器具を手にしており、私に何かを注射しようとしているのです。

ある夢の中で、女性の声がこう囁いてきました。

「伝えて……私たちは、ここにいると……」

それからも、箱根山通りを通るたびに視線のようなものを感じることがあります。

私は確信しています。あの通りの地下には、いまだ“声”が埋まっているのです。戦後に隠された何か——罪も、記憶も、そして命も——すべてが闇に閉じ込められているのです。

都心の整然とした住宅街に、そんな過去が眠っているとは思いもしませんでした。

この体験をこうして記録として残すことで、あのとき夢で囁かれた言葉に、少しでも応えられればと思います。

私は見ました。聞きました。そして、感じました。

——あの声は、決して幻なんかじゃありません。うまる

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