埼玉県の新井さんの家で!近くの滝で見た黒い人影

18歳 体育会系大学生 男性 カイルさん 埼玉県で本当にあった怖い話

2年前の夏、友人たちと埼玉県の「新井さんの家」という心霊スポットを訪れました。神流湖の近くにあるその場所は、まさに不気味さそのもの。家は完全に廃墟で、屋根や壁は崩れ落ち、骨組みだけが朽ち果てた状態で残っていました。窓もドアもなく、ただ静寂が支配しているその場所は、まるで時間が止まったかのようでした。

家の近くには古びたお墓があり、滝が流れる音が遠くから聞こえていました。湿った空気と滝の音が異様に響き、辺りは不気味な雰囲気に包まれていました。友人の一人が「こんな場所で本当に何か起こるのかな?」と軽口を叩いていたのですが、心のどこかでみんなが緊張しているのが分かりました。

廃墟に近づくと、冷たい風が体にまとわりつき、異様な寒さを感じました。家の骨組みを覗くと、どこかから「誰かに見られている」ような視線を感じました。僕たちはお互いに目を合わせ、無言のまま家の中を歩きました。骨組みの中は完全に荒れ果て、床も土が見え、廃墟の名にふさわしい状態でした。

しばらく家を探索していると、少し離れた滝を見に行っていた友人の一人が突然「滝の方に誰かいる…」と言いながら戻ってきました。彼が指をさした先を見ても、僕たちには何も見えませんでした。しかし、彼の表情が真剣だったので、全員で滝の方に向かってみることにしました。

滝へと向かう道中、妙に滝の音が大きく感じられ、僕たちはだんだんと言葉を失っていきました。滝に近づくにつれ、その音はさらに強く、まるで私たちを誘うかのように響き渡っていました。そして、滝に到着したその瞬間、僕たちは全員が同じ「それ」を目にしました。

滝の前に、黒い影が静かに立っていたのです。それは人の形をしていましたが、明らかに人ではない何かの存在を感じさせました。全員が凍りつき、その場を動けなくなりました。その影はじっと滝を見つめているように見えましたが、私たちを意識しているかのようにも感じられました。

その時、友人の一人が震えながら「早くここを離れよう」と言いました。私たちは慌ててその場を離れ、廃墟へと戻りました。車に乗り込むと、全員が無言のままでした。僕たち全員が同じものを見たのに、誰もそのことを話す気にはなれませんでした。ただ、滝の前にいたあの影が頭から離れなかったのです。

帰宅後、友人の一人から奇妙な電話がかかってきました。彼の家で異変が起きていると言うのです。夜中に突然、家のドアがガタガタと鳴り出し、誰もいないのに玄関で物音がする。さらには、誰かに見られているような視線を感じると語っていました。これまでそんなことは一度もなかったと言い、彼は不安に駆られていました。

私たちはすぐに「新井さんの家」で見たものが原因ではないかと感じました。滝の前に現れたあの黒い影が、何かを伝えようとしていたのかもしれません。そして、その存在が友人についてきてしまったのではないかと考えると、背筋が凍る思いでした。

その後、友人は知り合いのお寺でお祓いをしてもらい、不思議な現象は収まりました。しかし、それ以降、私たちは二度と「新井さんの家」に足を踏み入れることはありませんでした。あの場所には確かに何かがいる。そう確信させられた一夜でした。

「新井さんの家」は、ただの廃墟ではありません。滝の音に紛れて現れるあの影は、今も誰かを見つめ続けているのかもしれません。これからその場所を訪れる人には、十分に注意してほしい。あの場所には、触れてはいけない何かが潜んでいるのです。

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